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映画 『5頭の象と生きる女』

10月6日から13日まで山形市でおこなわれた 「山形国際ドキュメンタリー映画祭2011」 にボランティアで参加していた3年ゼミの福島里咲子さんが授業で、その模様や日本のドキュメンタリー映画の歴史を報告し、「ドキュメンタリー映画」とは何か、テレビのドキュメンタリー番組とドキュメンタリー映画はどこが違うのか等いろいろなことを考えるきっかけを提供してくれた。被写体の心情への配慮、ノンフィクション小説との類似性、、ドキュメンタリー映画の「作家性」といった問題も出された。

この映画祭は、1989年から隔年で開催されており、回を重ねるごとに注目度が上がっているという。今回、最高賞である「ロバート&フランシス・フラハティ賞」を受賞したのは、イスラエルのルーシー・シャツ、アディ・バラシュというふたりの監督による『密告者とその家族』。パレスチナとイスラエルの狭間で苦悩する家族の姿が描かれている。

私たちにとって大ニュースだったのは、バディム・イェンドレイ監督の『5頭の象と生きる女』が、インターナショナル・コンペティション部門の優秀賞と市民賞を受賞したこと。
この映画の主人公は、ウクライナ出身でドイツ在住の80歳を越える女性翻訳者だ。ドストエフスキーの長編を「象」に見立て、『罪と罰』から『カラマーゾフの兄弟』までの5大長編(=5頭の象)を「ロシア語からドイツ語に翻訳することにより凄惨な過去の悲しみと苦しみを乗り越えようとする」姿を描いたものだという。
来年日本で公開されることになっている。
 ↓
http://www.yidff.jp/2011/ic/11ic15.html

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2011年10月19日 20:43に投稿されたエントリーのページです。

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