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大江健三郎さんを支持する

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先日9月19日、東京の明治公園で「さようなら原発集会」が開かれていたことを知った。
約6万人もの人が参加した(主催者発表)と聞いて驚くとともに、マスコミの扱いがあまりに小さいことに怒りをおぼえる。

大江健三郎さんが呼びかけ人のひとりだ。
大江さんは、フランス文学者、渡辺一夫の言葉を少し変えて引用し、おおよそ次のように語ったという。

「狂気(原発による電気エネルギー)なくしては偉大な事業は成し遂げられないと言う人々もいるが、それは嘘である。狂気によってなされた事業(原子力によるエネルギー)は必ず荒廃と犠牲を伴う。真に偉大な事業は狂気に捉えられやすい人間であることを人一倍自覚した人間的な人間によって誠実に地道になされるものである」
 
原発エネルギーがなければ大停電が起こるとか日本経済が崩壊するといった不気味な予測は、どれほど狂気に似ていることだろう。
今こそ狂気に踊らされず冷静に未来を考えるときではないのか。今こそヒロシマ・ナガサキの記憶を心に深く留める国民として脱原発の道を探るときではないのか。今こそイタリアのように国民投票をするときではないのか。
そして、今こそ私たちの誇るノーベル文学賞作家の言葉に耳を傾けるときではないのか。

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2011年9月23日 00:24に投稿されたエントリーのページです。

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