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ロックオペラ 『ユノーナとアヴォーシ』

ソ連時代ほとんど唯一だったロックオペラが 『Юнона и Авось(ユノーナとアヴォーシ)』。
1960年代の花形詩人 Андрей Вознесенский アンドレイ・ヴォズネセンスキー(1933ー2010)の作品をもとに、1981年マルク・ザハーロフの演出で上演されて以来ロシアの人たちにずっと愛されてきた。


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物語は史実にもとづいている。ロシアとアメリカの交易事業を進めていた Николай Резанов ニコライ・レザーノフ(1764-1807)が1806年スペイン領サンフランシスコに行き、総督の娘コンチータと愛しあう。でも結婚するためには、宗教上の違いからロシア皇帝とローマ法王に許可を得なければならず、レザーノフはまた航海に出るのだが、途中で悲運の死を遂げる。本当にあった国際的な悲恋の物語なのである!
「ユノーナ」と「アヴォーシ」は帆船の名前。

ふたりは別れるとき、不吉な予感を感じるのか、繰り返しこう歌う。
Я тебя никогда не увижу...  あなたとはもう二度と会えない……
Я тебя никогда не забуду...  あなたのことはけっして忘れない……

ちなみに、レザーノフとは、ロシアと日本の正式な国交樹立をめざしてアレクサンドル1世に派遣され日本にやってきた、あの全権大使である。

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2011年5月24日 17:32に投稿されたエントリーのページです。

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