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『ロシア文学 名作と主人公』

新学期なので、読書ガイドを紹介しよう。
「ドストエフスキーを読んで面白かったので何か他のロシア文学作品も読んでみたい」と考えている人に参考になると思うのは、水野忠夫編 『ロシア文学 名作と主人公』 (自由国民社、2009)だ。アメリカ文学、フランス文学、イギリス文学、ドイツ文学とともにこの出版社の 「知の系譜 明快案内シリーズ」という読書ガイド・シリーズを成している。


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ほぼ執筆された順にロシア文学の「名作」が並べられ、あらすじ、主人公、作者について解説がほどこされたうえ、印象的な一文が引かれている。

プーシキン『エヴゲーニイ・オネーギン』に始まり、ゴーゴリ『死せる魂』、トゥルゲーネフ『父と子』、トルストイ『戦争と平和』、ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』、ゴーリキー『どん底』、チェーホフ『桜の園』、ベールイ『ペテルブルグ』……。
ロシア革命後は、ザミャーチン『われら』、ブルガーコフ『巨匠とマルガリータ』、バーベリ『騎兵隊』、プラトーノフ『ジャン』、ブーニン『暗い並木道』、パステルナーク『ドクトル・ジバゴ』、ソルジェニーツィン『イワン・デニーソヴィチの一日』、イスカンデル『チェゲムのサンドロおじさん』、ブロツキー『大理石』、ソローキン『ロマン』と続く。

後半の「名作」たちの大部分を、今年度金曜4限の講義「ロシア文学概論」で取りあげる予定。
もちろん、あらすじを読んで小説を読んだ気になってはいけない。ぜひ作品そのものを手にとって一語一語味わってほしい。「神はディテールに宿る」のだから!

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2011年4月30日 18:22に投稿されたエントリーのページです。

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