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2013年7月 アーカイブ

2013年7月19日

もう参院選直前

 もう金曜日だ。日曜が参議院選挙。去年12月の衆院総選挙のひどい結果から、この日のことが「審判の日」として見えていた。ただし「最後の審判」にはすまい。

 思えば2009年秋の政権交代のとき、4年後に安倍内閣が復活してこうなるとは誰も予想しなかっただろう。2011年3月に「千年に一度」の大地震と津波がきて福島第一原発が甚大事故に至り、日本が取り返しのつかない核惨事の瀬戸際に追い込まれるという数週間を経て、それまでの日本を領導してきた政界・官庁・財界・学会・メディアの「五重の壁」が暴かれたとき、その大災厄の試練からの出口が「憲法"改正"と軍事体制と人権廃棄」の選択になろうとは、誰も予想していなかったことだろう。

 この参院選を目前にして、福島第一の現場指揮をとった吉田昌郎元所長は58歳の若さで世を去った。この人はおそらく尊敬に値する人ではあっただろうが、自分の役割に、つまり東電社員の分限にあくまで忠実だった。かれは現場の働きで日本を大惨事から守ったが、それ以上に、病院に「保護収容」されることで東電を守ることになった。その東電はいま、2007年7月の中越沖地震で火災事故を起こした柏崎刈羽原発の再稼働を申請しようとしている。

 そして参院選予測では、自民党の圧勝が伝えられている。橋本代表の暴言で維新の会が一挙に失速したが、その分の票は自民党に流れようとしている。国会の「ねじれ」が数年ぶりに解消すると言われる。だが、「ねじれ」の可能性があるということも両院性のメリットである。その「ねじれ」が解消され、「決める政治」が戻ってくるといっても、今の安倍自民党はかつての自民党ではない。ようやく最近少しは知られ始めた自民党の「改憲案」にあらわなように、かつての自民党の「安定的保守性」をかなぐり捨てた「革命的」なまでの反動改憲案だ。だから「戻ってくる」のではなく、勝手な「暴走」が「決められる」ようになる。日本の内だけ見ていると、それが「維新」のような「変革」に映るかもしれないが、安倍自民党が目指す路線はグローバル世界の傾向やその要請とも逆行しており、日本孤立への道である。

 ところが今度の選挙でそういう結果が出る可能性がきわめて高い。去年の衆院選以来すでに見通されていたことではあるが、3・11を経てもなお変わらない「経済成長」の呪文のもと、2008年秋の世界金融恐慌を引き起こしたアメリカのサブプライム・ローンに勝るとも劣らぬ夜郎自大の金融政策の引き起こす「景気感」に乗って、「再チャレンジ」安倍政権は「大願成就」の表参道に入ろうとしている。

 自滅瓦解した民主党のあとの受け皿がないという現状のなかで、だれもが手をこまねいていたわけではないが、有効な手が打てなかった。

 こうなった上は、今度の選挙でできるわずかなことは、自民党の議席増を極力限定すること、つまりは「改憲」と「原発再稼働」に集約される流れに乗らない候補にできるだけの議席を与えることだろう。死に票は避けたい。誰でも、何党でもいい、当選の可能性のある野党候補に一票を投じるしかない。

 一月半ぶりのブログ記事がこれで、忸怩たる思いがあるが、選挙前に一言。

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