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03 放射線被ばくに関する基礎知識 (第5報)

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1.東京都の金町浄水場の水道水に、1リットルあたり210ベクレルの放射性ヨウ素が含まれていると報道がありましたが、大人は飲んでも大丈夫ですか?

 大人が飲んでも、健康への影響を心配する必要はありません。放射性ヨウ素に関する国の安全基準値は、水1リットルあたり300ベクレルです。この基準は、放射性ヨウ素を含む水を長期間摂取し続けた場合でも甲状腺が受ける放射線量が1年当り50ミリシーベルト以下となるように決められています※1。
 例えば、300ベクレル/1リットルの水を大人が毎日2リットル、2ヶ月間飲み続けた場合、国際放射線防護委員会による換算係数に基づけば、約790マイクロシーベルトの被ばくを受ける計算になります。この値は人間が自然界から1年間に受ける放射線の量の3分の1程度で、健康への影響を心配する必要はありません。なお、放射性ヨウ素は半減期(放射能としての能力が半分になる時間)が約8日です。8日経つと半分になり、さらに8日経つと4分の1になります。よって、一度体内に取り込んでも2ヶ月後には100分の1以下になります。
※1原子力安全委員会「原子力施設等の防災対策について」(平成22年8月最終改訂)


2.上記の問いにある水を料理に使っても良いですか?

 料理に使っても、健康への影響を心配する必要はありません。安全基準は、料理で使うことも考慮して、健康影響の現れる可能性が小さくなるよう決められています。


3.上記の問いにある水を、シャワーやうがい、歯磨きなどに使っても大丈夫ですか?

 水道水を飲用や調理以外の用途で使用しても、健康に影響はありません。
安全基準と同じ濃度の放射性ヨウ素(300ベクレル/リットル)と放射性セシウム(200ベクレル/リットル)の両方を含む水道水を飲用以外で1年間利用し続けた場合、水から出る放射線で約14.5マイクロシーベルト、水から揮発した放射性ヨウ素と放射性セシウムを体内に取り込むことによる被ばくが最大250マイクロシーベルト程度になると推定されています。これは東京・ニューヨーク間を1往復すると飛行機内で被ばくする放射線量にほぼ同じで健康への影響を心配する必要はありません。

(参考)
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000014tr1-img/2r98520000015k18.pdf


4.放射性ヨウ素は沸騰すると蒸発すると聞きましたが、本当ですか?

 放射性ヨウ素は沸騰しても蒸発しないと考えられます。水分が蒸発し、むしろ放射性ヨウ素が濃縮される場合があります。


5.妊婦や子どもへの影響はありますか?
 これについては、以下の学会の見解を参考にしてください。
日本医学放射線学会
http://www.radiology.jp/modules/news/article.php?storyid=912
日本産科婦人科学会
http://www.jsog.or.jp/news/pdf/announce_20110324.pdf