特定課題セッション 内容の詳細

(13:45-14:35)
Ⅰ. コミュニティ通訳研究報告
・相談通訳の倫理綱領策定の試み
・相談通訳認定試行の試行

 本セッションではまず、これまでさまざまな通訳実践のケーススタディを通して、専門職としてのあり方を研究してきた「コミュニティ通訳協働実践型研究会」の成果として、コミュニティ通訳の礎をなす専門領域と考えられる「相談通訳」の倫理綱領について、研究会メンバーによる事例発表を交えながら、研究会内における議論の経緯とともに、その策定内容を概説する。

 さらに本セッションでは、日本弁護士連合会法務研究財団による助成研究「外国人法律相談における通訳人の認定に関する研究」において試行された「相談通訳」認定試験について振り返り、その結果明らかとなった今後の課題について、専門性評価の観点などから報告を行う。

報告者
 内藤 稔(東京外国語大学大学院総合国際学研究院講師)
 岩田久美・三木紅虹・亀井玲子・宮城京子・名倉貴之(コミュニティ通訳研究会メンバー)
 指宿昭一(弁護士)
 広津佳子(弁護士)


(14:45-16:00)
Ⅱ. 多文化社会コーディネーター研究報告
・多文化社会コーディネーター認定制度の確立に向けて

 本センターでは、2007-2012年度においてその専門性および専門性形成の方法に関する研究を行い、その成果を実践に移すべく2008年度からは実践者を対象に「多文化社会コーディネーター養成講座」を実施してきた。
 一方で、多文化社会コーディネーターを専門職として位置づけていくためには、社会的認知が得られる制度、すなわち、職能集団としての有り様を社会に示す文書(「倫理綱領」)や専門性を客観的に評価する仕組み(「認定制度」)の検討が必要である。2013年度に、科学研究費助成事業の基盤Cに採択された「多文化社会における専門人材研究~専門職の知と専門性評価に関する研究」は、1年目、2年目には、専門的人材育成を行っている先行事例の研究を通して、専門職の知の整理および制度化の方向性を確認し、さらに「多文化社会コーディネーター倫理綱領」の策定を行った。それを踏まえて、3年目の今年度は、専門性評価に関する研究として実際に認定試験の試行を行い、認定制度のあり方について検討を行っている。
 本発表では、策定された「倫理綱領」について解説するとともに、認定試験を試行してみての成果と課題を報告する。

報告者
 奈良雅美(特定非営利活動法人アジア女性自立プロジェクト代表理事)
 小山紳一郎(ラボ国際交流センター常勤理事)
 山西優二(本学特任研究員/早稲田大学文学学術院教授)
 杉澤経子(本センタープロジェクトコーディネーター/科研費研究代表者)

日時: 2015年11月27日