「ブラジル人児童向けに教材」《中日新聞東海版朝刊32面》

「学力支援 浜松など来月試験導入」

在日ブラジル人の小学生の学習を支援するため、三井物産(東京都)と東京外国語大の多言語・多文化教育研究センター(東京都)は共同で学習補助教材の開発を進めている。教材は浜松市などプラジル人の多い地域の公立小学校で11月から試験的に使ってもらい、2007年4月からイン夕ーネットで公開する。全国のプラジル人児童に授業や家庭学習で活用してもらう考えだ。

教材は算数や漢字の学習が対象で、イン夕ーネット上から無料でダウンロードできる。原則日本語だが、必要に応じてポルトガル語で解説。教員に指導方法を示し、保護者にも学習内容を分かりやすく紹介する。ほかの教科もつくる予定で、教科書と併用できる教材を目指す。

高橋正明センター長は「ブラジル人の児童はどうしても日本語でつまずく。日本語の習得と教科学習を一体化させることが大切」と、教材の利点を説明する

浜松市のほかに群馬県太田市、同県大泉町、長野県上田市でも試験使用を依頼し、教材を使った教員らの意見を参考にしながら試作を完成させる。将来的にインターネット上でも学べる教材をつくる計画だ。浜松市教育委員会によると、市内の公立小学校にはブラジル人児童が約七百人通っている。教材を導入する小学校は十月中旬にも決まるという。

日時: 2006年10月09日