メールマガジン第60号

≪多文化コミュニティ教育支援室メールマガジン第60号≫

2011年4月26日配信

文責 佐々木

このメールマガジンは、多文化コミュニティ教育支援室(以下、支援室)へ登録している学生に、
日本語・学習支援や国際理解教育などの活動状況、実際に活動している学生の声、

募集情報などをお届けするものです。


学生ボランティアの皆さん
 
大震災から1カ月余り。まだまだ大変な中で始まった新学期ですが、いかがお過ごしでしょうか。
支援室には、新しく60人近くの学生がすでに登録をしていて、毎日新しい顔ぶれです。
同じ活動をしていなくても、そして専攻語・学年が異なっていてもいろいろ話せる雰囲気が、いいですね。
メールマガジン第60号では、支援室の新歓の様子を中心にお伝えします。

~CONTENTS~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
!「お知らせ」(今年度の開室情報、スタッフ体制)
▼「今月の注目トピック」(新歓企画!!ペルシャ語専攻松村さんインタビュー)
●「募集中!」(入門講座のご案内、日本語・学習支援)
◆「最近の活動紹介」
★「学生の声」(ヒンディー語専攻中本さん・日本語専攻嶋田さんインタビュー)
□学生の自主活動の紹介
■「編集者より」
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!【お知らせ】!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
!支援室開室情報
支援室(206)は平日の11時~18時まで開室しています。お気軽にお越しください。

(t-shien@tufs.ac.jp 042-330-5428)

!支援室スタッフ新体制について
先月いっぱいで、支援室統括責任者の尹先生、国際理解教育の担当スタッフの岡崎さんが退職し、4月からスタッフの勤務体制が変わっています。以下の出勤日をご覧下さい。

国際理解教育専門員 木下さん...火・木
日本語・学習支援専門員 奈良部さん...月・水・木
スタッフ 鈴木さん...平日毎日

!2010年活動報告書
昨年度の支援室の活動をまとめた報告書ができあがりました。ほしい方は支援室まで取りに来てください。

▼【今月の注目トピック】▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼
▼新入生歓迎企画
4月20日4限:「体当たりコミュニケーション!~難破船ゲーム~」
4月21日5限:「真剣around20しゃべり場!!~なぜ外国語を学ぶのか~」

支援室で活動している学生の有志が、国際理解教育の実践でもよく使われる、
外大生が作った「難破船ゲーム」の再現や、実際の体験談などを話し、
参加した新入生を始めとする支援室の活動に参加したことのない学生に支援室の活動を紹介しました。
「国際理解とは?」、「なぜ外国語を学ぶの?」という難解なお題のディスカッションも併せて行われ、
とても有意義な時間になりました。

学内で配られた手作りのチラシに書かれたキャッチフレーズを一部紹介します。
「地域に根ざした活動を通し、すぐそばにある多文化の現状について学び、考え、行動する」
「答えのない問いを問い続ける」
「一方的に知識を与えるのではなく、ゲームやディスカッションを通して児童・生徒自らが気づいていくワークショップを目指す」
「今までやってきたこと、これからやってみたいこと、外大生だからできること...」

新歓企画に携わった学生の経験や思いが込められていると感じました。
今日は、そんな新歓企画のリーダーを務めた、松村さん(ペルシャ語専攻)にお話を伺いました。

佐々木:どんな気持ちで参加しましたか?
松村:支援室の活動で得られる経験はとても貴重だと思うんです。バイトとか、サークルではできない経験。
そのことを伝えたかったです。

佐々木:具体的に言うと?
松村:いろいろあるけど、その一つは、普通に生活していると気がつかないかもしれないことに気づかされることだと思います。
私の場合は、「日本にいる外国人」は近くにいたけど見えない存在だったんです。
支援室の活動をして、いままでは自分のことに一生懸命で気がつかなかったことを気にするようになりました。
気がつこうとするようになったというか。

佐々木:なるほど。当日はうまくいきましたか?
松村:反省すべき点はあります。でも、みんな素直で、協力的で、ノリノリで参加してくれて驚きました。
私自身もこの企画を通して友だちが増えました。そんなことも、企画に参加して良かったと思う理由ですね。

佐々木:いいですね!最後にみなさんに一言お願いします!
松村:新歓企画自体は終わりですが、支援室はいつでも歓迎しています!
なにかやりたいことを見つけて大学生活を楽しんでください!!

佐々木:ありがとうございました!!

いつもとてもクールな松村さん。チラシに載せる言葉を考えている時の、いつにも増して真剣な表情が印象的でした。
これからもどんどん支援室を盛り上げていってください!!

●【募集中!】●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
お問い合わせは支援室(t-shien@tufs.ac.jp 042-330-5428)まで。

●「国際理解教育・学習支援活動入門講座」のご案内
支援室では、「国際理解教育」や「日本語・学習支援」などのボランティア活動を行う際に
求められる知識や技能、考え方を学ぶ入門講座を実施します。
大学で学んだことを、地域社会で活かしたいという学生の皆さん、
ボランティア活動に関心を持つ皆さんの参加をお待ちしています。

日時:第一回 2011年4月29日(金)
第二回 2011年5月21日(土)(いずれも10:10~17:30)
場所:第一回 東京外国語大学 アゴラグローバル3階 プロジェクト・スペース
   第二回 東京外国語大学 研究講義棟 104教室
受講料:無料
申し込み:詳細は支援室(206)にお越しください。チラシもあります。
(t-shien@tufs.ac.jp 042-330-5428)

●武蔵野市第四中学校内 学習センター すてっぷルーム(日本語・学習支援)
武蔵野市教育委員会が設置している帰国生および外国籍の小中学生対象の学習支援教室です。
子ども達の勉強を手伝う学生を募集しています。

スケジュール:4月 27日
        5月 11日・18日・25日
        6月 1日・8日・15日・22日・29日
        7月 6日・13日・20日       (1学期分)
時間:15:30~17:00
場所:武蔵野市第四中学校内 学習センター3階 帰国・外国人教育相談室
(吉祥寺駅からコミュニティバス(100円)で10分程度 けやきコミセン下車徒歩2分)
交通費:1000円/回 を翌月払い

◆【最近の活動紹介】◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
ここでは支援室を拠点とする、進行中の活動を紹介します。お問い合わせは支援室
(t-shien@tufs.ac.jp 042-330-5428)まで。

<学習支援>
((学内学習支援))
◆府中市、武蔵野市、川崎市小中学校
学生たちが各市の小中学校に出向き、外国につながりのある子どもたちに日本語を教えたり、
学校の勉強のサポートをしています。

((地域の日本語教室))
◆武蔵野市第四中学校内 学習センター すてっぷルーム
武蔵野市帰国・外国人教育相談室が主催。
学芸大学など複数の大学からの学生ボランティアと日本語の先生が一緒に、
毎週水曜午後、外国から来た子どもたちや帰国生の学習支援、交流を行っています。

◆調布市国際交流協会 調布市立学校 日本語指導教室
調布国際交流協会が、毎週水曜午後と土曜午前に運営する子どものための日本語教室。
市民ボランティアと学生ボランティアが取り組んでいます。

◆府中国際交流サロン 児童日本語教室
毎週金曜日夕方、府中市庁舎内で行われている府中国際交流サロンの児童日本語教室。
外大生のみで運営しています。

◆新宿区日本語教室「こどもクラブ新宿」
新宿区では二箇所で「こどもクラブ新宿」事業を運営し、
それぞれで市民ボランティアと大学生のボランティアが一緒に学習支援活動をしています。

★【学生の声】★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
 ここでは、支援室の活動をしている学生にインタビューをし、学生のナマの声を紹介します。
みなさんと同じ学生がどんなことを考えて活動しているのか、どんなことを得たのか、必見です!!
今月は中本さん(ヒンディー語専攻)と嶋田さん(日本語専攻)にお話を伺いました。

★去年の12月から府中国際交流サロン(以下、サロン)で学習支援活動をしている中本さん(ヒンディー語専攻)。サロンの様子は、イメージとはかなり違っていたようです。

佐々木:こんにちは。まず、始めたきっかけを教えてください。
中本:去年の夏に、フィリピンのストリートチルドレンの支援をするツアーに参加してから、
「大学生として何かやりたい」と思うようになりました。
同じ語科の小澤さん(ヒンディー語専攻)が支援室の活動に関わっていることを知って、府中サロンでの活動を始めました。

佐々木:初めてサロンに行った時はどうでしたか?
中本:勉強だけしているイメージがあったのですが、実際は走り回って遊んだり、
子どもが大学生にすごくなついていてアットホームな感じでした。

佐々木:どんな子を担当しているのですか?
中本:最近中国から来たばかりの小6の男の子を担当しています。
その子は日本語が全くできない状態で、最初は、「自分は中国語ができないしどうしよう」と思っていました。でも、もちろん言葉の壁を感じることはあるんですけど、最近は、言葉が通じなくても伝えられることがあると思うようになりました。

佐々木:というと?
中本:サロンの友人から聞いた話なんですけど、
「学校から帰ってきたときとサロンから帰ってきたときの子どもの顔が全然違う。嬉しそう」
って保護者から言われたらしいんです。
サロンが休みだとわかった時にすごく悲しそうな顔をしたこともあったとか。
大学生が思っているより、サロンって子どもには大切な場で、子どもは楽しんでると思うんです。

佐々木:大学生が思っているよりも?
中本:学校とは違う雰囲気で、なかなか言えないことも言えるみたいなんです。
大学生は年齢的にも近いから、姉弟みたいな。長く一緒にいると本当の姉弟みたいに思えてきますよ!
最近は、普段日本語はあまり話さないのに、自分に日本語で呼びかけてくれたりするようになったんです。その子の成長を見られた時は一番嬉しいです!

佐々木:いいですね!今年はどんなふうに関わっていきたいですか?
中本:どんどん関わっていきたいです。将来は外国につながりのある子どもの支援をしたいと思っています。実は留学も考えていて、まずはちゃんと外国語を話せるようになりたいです(笑)。
そして、語学だけではなく、異文化理解など、今後のサロンでの活動につながることも学びたいです。
留学から帰ってきてからもサロンは続けたいですね。その子がどのくらい話せるようになっているか楽しみです!

佐々木:たしかに。僕も話せるようになりたい(笑)。担当の子ともっともっと深く関われるといいですね!
最後に、まだ活動を始めていない人に一言!
中本:両立できるか、とか悩むと思いますが、自分のペースで続けられるし、一人で悩むことはないと思います。周りの学生と協力できます!
あとは...言葉の壁を最初から自分でつくるのはやめたほうがいいです(笑)。
やってみないとわからないことがあると思いますね。
私にとってはサロンは楽しいことしかないです!!一度見学に来てください!!

佐々木:ありがとうございました!!

サロンに初めて行ったその日から自分の中のイメージが壊されたという中本さん。
おおらかに話しながらも、しっかりとした芯を感じました。今度ぜひサロンの見学に行かせてください!!

★先月3月9日に、川崎市立橘高校で国際理解教育の実践に初めて参加した嶋田さん(日本語専攻)。支援室の活動について、自ら「かなり批判的」な人だという嶋田さん。
実際に参加してみると、新しい見方をするようになったそうです。

佐々木:まず、どんな実践だったのか教えてください。
嶋田:高校で授業をしました。授業と言っても、いわゆる「授業」ではなくて、「貿易ゲーム」という、
南北問題を扱った体験型のゲームを高校生と一緒にやりました。
南北問題の実態がわかるゲームなんです。

佐々木:なぜ参加しようと思ったのですか?
嶋田:まず、私、外大に入ったのは間違いだったと思っていたんです。

佐々木:なぜ!?
嶋田:「途上国に対して~」とかいうのは自分のフィールドじゃないと思っていたんです。
むしろ、自分の身のまわりの「地域」のほうに興味がありました。
大きな範囲よりも、目の前の狭い範囲のほうが自分のなかでピンとくるんです。
地域福祉とか。...外大って「大きい」視点の人多いじゃないですか。
支援室も「外国」を全面に出している感じで、かなり違和感がありました。

佐々木:なるほど。わかる気がします。
嶋田:でも、何もやらないで何も知らないのに、否定することはできないと思ったんです。
とりあえず、なんかやろうと思って。

佐々木:実際にやってみてどうでしたか?
嶋田:「貿易ゲーム」に対してって言うより、高校生とか、
一緒に活動している外大のメンバーに対して、自分の中で何かが変わりました。
激変です。イナズマが走りました(笑)。

佐々木:というと?
嶋田:高校生に、「搾取とか貧困ってよく聞く話じゃん」みたいな反応をされたんです。
この現実に「慣れちゃってる」んですよね。ずっと同じ状況だし。変わらないし。
...そんな反応をされたからこそ、自分も実は高校生と同じように感じていたりとか、
実際に見に行ったことがないことに改めて気づかされたりしました。
でも、かといって、すごい専門家とかが授業をやっても、
高校生にとってそういう人って遠い存在だと思うから、やっぱりうまくいかないと思うんですよね。
だから、大学生が高校生と同じ目線で一緒に考えようとすることに意味があると思いました。

佐々木:なるほど。大学生がやることに意味があるんですね。
一緒に活動した外大生についてはどうでしたか?
嶋田:やる前は、いろいろ感じていたことはあったんですけど、
やっぱりちゃんと知り合いになって話を聞いてみると、イメージだけでひとくくりになんてできないと思いました。みんないろんな意見をもってるし、すごくよく考えてる。

佐々木:そうですよね。同感です。最後に読者のみなさんに一言!
嶋田:私は、支援室にとても入りづらかったです。
でも、支援室ってそこにいる人が全員支援室の活動をしているとは限らないんですよね。
活動してないけど、昼ご飯食べに来てるとか(笑)。
いろんな人がいる場所で、いろんな人がいることですごく柔軟なコミュニティになってると思います。
だから、活動してる人もしていない人も来てみてください!!

佐々木:ありがとうございました!!

支援室の活動を「批判的に」みていたという嶋田さん。
そんな嶋田さんだからこそ、「やっぱりちゃんと知り合いになって話を聞いてみると、
イメージだけでひとくくりになんてできない」という言葉には説得力がありました。
またお話を聞かせてください!!

お二人とも、ありがとうございました!!

□学生の自主活動□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
多文化コミュニティ教育支援室では、支援室が主体となって行っている
学生サークル「Amigos」「うりぬり」「GIRASOL」をはじめとする、学生の自主的な活動への支援も行っています。

□うりぬり
朝鮮語に興味がある外大生と、韓国の留学生が中心となって活動している団体で、
主に小中学校での文化交流や勉強会、日韓の学生間交流を行っています。

ミーティング:毎週金曜日昼休み 講義棟209教室にて
うりぬりのHPで写真入りブログを見られます:
http://blogs.yahoo.co.jp/gaidai_urinuri

□ラテンアメリカの会 GIRASOL
2007年にスペイン語専攻の学生で立ち上げた国際協力系サークルです。

GIRASOLのオフィシャルブログはこちら:
http://ameblo.jp/latinoamerica-girasol

□Amigos
ポルトガル語専攻の学生が中心となり地域の外国人児童生徒に対しての
日本語による学習支援や、ブラジルに関する文化交流などに取り組んでいる団体です。

ミーティング: 毎週月曜日昼休み 講義棟207教室にて
AmigosのHPで写真入りブログを見られます:
http://www.tufs.ac.jp/st/club/amigos06/

■【編集者より】■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
今月よりこのメールマガジンを担当いたします、ドイツ語専攻の佐々木です。
支援室の活動に参加する理由は人それぞれ。活動から得るものも人それぞれだと思います。
このメルマガでは、そんな実際に活動している学生のナマの声を紹介していきます。
どうぞよろしくお願いいたします。

ドイツ語専攻 佐々木

このメールマガジンに関するご意見、支援室の活動に有益な情報がありましたら、
t-shien@tufs.ac.jp(支援室代表)までご連絡ください。

多文化コミュニティ教育支援室は2012年の東京外国語大学の改組にあわせ、 より広いボランティア活動をサポートするためのボランティア活動スペースとなりました。
(本サイトはアーカイブとして公開を続けています)