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2018年6月 7日

コンシェルジュおすすめの本<個室閲覧室前のオアシス~SF小説編~>

学術的な本を読み続けて、頭が疲れた...!専攻語の単語を覚えすぎて日本語を忘れそうだ...。

頭の箸休めとしての小説のススメ。
膨大な数の研究書がある外大図書館。しかし実はそれだけではなく小説も多数所蔵されています!
個人的におすすめなのが3F個室閲覧室前の文庫コーナー。通学時に持ち運んでも重くない!文庫化された国内外の名作が並んでいます。

その中から、独断と偏見に基づくおすすめ本を紹介させていただきます。
今回はSF小説編。現実から離れて、しばしサイエンスフィクションの世界に逃避しましょう!

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<おすすめ本その1>

ジーキル博士とハイド氏
スティーブンスン著
東京, 光文社, 2006.12

請求記号:文庫/23-1/ス2-3 図書ID:0000348748

「わたしをこんなわたしにしたのは、なにかの欠陥の肥大よりは、妥協を許さぬ向上心であり、それがわたしのなかに、人間の二面性をかたちづくるあの善と悪の領域を、大多数の人におけるよりも深いみぞをもって二分したのだ」(本文p104)

子ども時代、『宝島』をワクワクしながら読みふけった人も少なくないかと思います。
もはや定番とも言える「海賊といえばオウム」のイメージも『宝島』から来ているのではないでしょうか。
その『宝島』の作者ステイーブンスンの代表的著作のもう一つがこちら、『ジーキル博士とハイド氏』。
人間の心の闇と葛藤を描いた古典ですが、ドキドキハラハラ感は現代の推理小説以上の一冊。
行き過ぎた克己心や、人に見せたい自分、というものについて考えさせられます...。

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<おすすめ本その2>

フランケンシュタイン
シェリー著; 小林章夫訳
東京, 光文社, 2010.10

請求記号:文庫/23-1/シ5-1 図書ID:0000349711

「何の絆も愛情も得られないというなら、憎しみと悪徳を手にするより仕方ない」(本文p261)

皆さまご存知フランケンシュタイン。しかし、フランケンシュタインとは人造人間のことではなく、彼を造った科学者の名なのです。
人造人間には名前がありません。しかし、彼は決して野蛮な化物などではなく、人間同様に情緒と知性を持っています。
ありふれた平和と愛を求める心、謂れなき憎悪を受ける中で募る復讐心、そしてラストシーン(ネタバレになるので詳細は省きます)。
この作品の人造人間の葛藤と苦悩の描写は、ミュージカル版のオペラ座の怪人のストーリー展開に影響を与えたのかな?と思っています。

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<おすすめ本その3>

地底旅行
ヴェルヌ著 ; 高野優訳
東京 : 光文社, 2013.9

請求記号:文庫/23-1/ウ2-3 図書ID:0000362474

ディズニーランドでおなじみ、センター・オブ・ジ・アースの元ネタはこちら。
何度か映画化もされている『地底旅行』(※『地底探検』の邦題で出版されているものも有)ですが、地下世界への入り口とされる場所が作品ごとに異なっています。
原作ではアイスランドが地下世界への入り口ですが、映画によってはニュージーランド版などがあります。留学や旅行の際、ロケ地が見れたらスゴイ。

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外大図書館で浸れるSFの世界はいかがでしたか。3冊ともタイトルは多くの人が聞いたことがあると思います。改めて読んでみると実に面白いです。
大学での学ぶ中で身につけた視点で読むと、「え、これって◯◯的では?」「◯◯という問題がある」など色々考えさせられるかと思います。
執筆された時代の常識、社会通念などもふまえつつ読むと新たな発見があるかもしれません。
もちろん、単に勉強の合間の息抜きとしてかるーく読むにも楽しい本ばかりです!
近々「恋愛小説編」「愛と生き様編」もアップロードいたします。
乞うご期待...!

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