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2017年10月13日

朝鮮語・日本語 【日本近代文学】

≪名前≫ イユファン

≪所属≫ 東京外国語大学 総合国際学研究科 博士前期課程 国際日本専攻

≪専門≫ 日本近代文学を中心に、主に昭和期の戦後日本文学を研究しています。

≪おすすめの書籍≫

大岡昇平(1952)『野火』

大岡昇平の小説の中でも特に評価の高い作品で、『俘虜記』-『野火』-『レイテ戦記』といった大岡戦記作品の真ん中を占めるのがこの『野火』です。

ついこの前2度目の映画化もされてまた多くの人が知ることになったのでしょうが、原作は1952年に公表されており、戦後文学を代表する作品の一つです。

内容としては戦争を描いたものではありますが、主題としては戦争そのものより人間の有り方を問いかけるようなものになっています。

有名な場面として、戦場の過酷な環境におかれた主人公が死んだ仲間の肉を喰おうとした瞬間、自分の左手が自分の右手を止める奇妙な経験をする部分があります。

極限状態に置かれた人間が非人間的な行為をする際にどのような力が作用するのか、ここでは神とか道徳とかが考えられますが本作はまた別の回答を出しています。

面白い小説ですし、考察できる部分も多く含んだ作品です。興味が湧いた方は是非読んでみてください。