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今日のアフリカ

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ルワンダの衣類輸出が好調

2020/11/21/Sat

20日付New Times紙によれば、ルワンダの衣類輸出が2018年以来最高水準を記録した。米国市場への優遇アクセス権を剝奪されたなかでの輸出増であり、前向きに評価できる。

東アフリカ共同体(EAC)は、2015年、現地企業活性化のために、中古衣料の輸入を禁止した。これに対して米国政府は反発し、AGOA(アフリカ成長機会法)の適用除外を持ち出して、禁止措置の撤回を迫った。その結果、ルワンダ以外のEAC諸国は、中古衣料の輸入を再開した。ルワンダだけが、AGOAの恩恵を受けられなくなったのである。

AGOAは、アフリカで生産される輸出品目に幅広く米国市場での関税免除を認める法律である。これを利用して多くのアフリカ諸国が米国への衣料輸出を伸ばしてきたが、米国の国内法であるだけに、その適用は米国の判断に左右されてきた。アフリカ諸国が自国産業育成のために中古衣料の輸入を禁止することは当然の判断と思われるが、米国はその変更を迫り、2018年にはルワンダをAGOA適用除外国とした。

報道によれば、AGOAが利用できなくなったにもかかわらず、ルワンダからの衣類輸出額は2018年から20年の間に83%増大した。米国向け輸出は減少したが、ヨーロッパ諸国で新規の市場開拓が成功し、国内の需要も増えている。主要な輸出向け衣類製造業者は香港企業のようである。

衣料製造は、工業化の第一歩として重要な部門である。雇用創出力が高いので、経済成長を通じた貧困削減効果も期待できる。ルワンダ政府はビジネス誘致に力を入れてきたが、このニュースには胸をなでおろしているだろう。