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今日のアフリカ

今日のアフリカ

コンゴ民主共和国

2018/01/26/Fri

カビラ政権の混迷がさらに深まっている。昨年大晦日にカトリック教会が呼びかけたデモの抑圧については、1月4日付「今日のアフリカ」でもコメントしたが、その後1月21日にも同様のデモがあり、警官隊との衝突で6人が死亡したとされている(MONUSCOによる)。2016年大晦日の政府・野党の合意に際しては仲介役に徹したカトリック教会だが、最近はカビラ政権が合意を履行する意思を欠いていると見て、反政府の姿勢を明確にしている。一方、21日のデモ抑圧を受けて、国連事務総長、米国、英、仏、ベルギーなどがカビラ政権の姿勢を批判する声明を出した。これに対して政権側は、事実上EU諸国の領事館として機能している「シェンゲン・ハウス」やベルギーの援助実施機関(ENABEL)の閉鎖をほのめかし、ベルギーやヨーロッパを標的にした報復措置をちらつかせている。カビラ政権は今年12月の選挙実施を約束しているが、現状は、それに向けて圧力を高めようとする市民社会や国際社会との間で軋轢が一層高まっている。