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今日のアフリカ

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AUによるワクチン調達計画

2021/04/09/Fri

 9日付ファイナンシャルタイムズ紙の報道によれば、AUの公衆衛生機関であるアフリカ疾病対策予防センター(Africa-CDC)は、インドのSerum Institute経由でのアストラゼネカ社製ワクチンの調達を中止すると発表した。代替策として、ジョンソンエンドジョンソン社のワクチンにより追加供給分を確保する。

 Africa-CDCのンケンガソン局長によれば、これは同社製ワクチンの副作用で血栓ができるという問題とは関係がない。Africa CDCは、アストラゼネカ社製ワクチンの接種を奨励している。

 アストラゼネカ社製ワクチンの調達を中止してジョンソンエンドジョンソン社に発注する決定は、ワクチンの調達先を重複させないための措置である。AUは、アフリカ総人口の60%にワクチン接種することを目標としているが、主要な調達ルートとして、Covaxの枠組みを利用したWHOからの供給分がある。この枠組みでは、インドのSerum Instituteで製造されたアストラゼネカ社製ワクチンが提供される。AUは、Covaxの枠組みで総人口の20%分のワクチンを調達する計画である。そのため、それ以外の40%分に関しては、アストラゼネカ社製以外のワクチンを発注し、調達先が重複しないよう配慮したとのことである。
 Covaxによるワクチン供給が思うように進まない中で、各国がその確保に苦心している。こうした状況下、AUという地域機構が前面に出てワクチン確保を主導しているのも、アフリカの特徴と言えよう。