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Research Activities研究活動

研究プロジェクト

苦悩に対処する社会装置としての儀礼に関する人類学的研究:エチオピアの事例から

松波康男(東京外国語大学現代アフリカ地域研究センター)

【研究課題】苦悩に対処する社会装置としての儀礼に関する人類学的研究:エチオピアの事例から
【研究費の枠組み】日本学術振興会科学研究費若手研究(課題番号18031324)
【研究期間】2018年度から2021年度まで
【研究代表者】松波康男(東京外国語大学現代アフリカ地域研究センター)
【研究分担者】なし
【連携研究者】なし
【研究目的】

本研究は、エチオピア・オロモ社会における苦悩への対処の社会的実践に注目するものである。同社会で「悩み持ち」と概念化されている、苦悩を抱えて生きる人々を取り上げ、当該社会にみられる儀礼の問題解決並びに治癒的側面に注目して、人々の苦悩への対処の実践のあり方を明らかとする。エチオピア・オロモ社会ではハドラと呼ばれる祈祷集会を定期的に開催する習慣がみられる。そこでは宗教、性別、年齢を問わず、苦悩を抱えた人々がそれを吐露し、他の参加者から祈祷を受けたり、精霊から助言を与えられたりする機会ともなっている。本研究は、人びとが自らの苦悩を解決するためにどのような方法をとるのか、そしてそれがどのような内容であり、どのような条件が揃えば儀礼に持ち込まれるのか、さらに儀礼では苦悩の原因の説明や解決の術がどのように与えられ、それがどのように個人に受け入れられたり疑われたりするのかについて明らかにし、当該社会の人々の苦悩を巡る実践について人類学的な観点から考察するものである。