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Research Activities研究活動

研究プロジェクト

森林産物交易は森と地域社会をどう変えたか――アフリカ熱帯雨林の歴史生態学とグローバル・ヒストリー――

大石高典(東京外国語大学現代アフリカ地域研究センター)

【研究課題】森林産物交易は森と地域社会をどう変えたか――アフリカ熱帯雨林の歴史生態学とグローバル・ヒストリー――
【研究費の枠組み】2017年度稲盛財団研究助成(人文・社会科学系)
【研究期間】2017年度
【研究代表者】大石高典(東京外国語大学現代アフリカ地域研究センター)
【研究目的】

 最近の熱帯雨林の保全に係る研究動向では、自然保護と地域住民の生活文化の両立が課題となっている。持続的な開発の具体的手段として、地域住民が森林を伐採せずに資源を得る非木材森林産物の経済的・文化的重要性が注目を集めている。しかしグローバルな市場経済のなかで、非木材森林産物の商業利用が果たして長期的に持続可能なのかどうかについては、生態学側面と経済学的側面の双方で論争がある。また、非木材森林産物はグローバルに消費されていることから、世界経済と非木材森林産物が生産されるローカルな自然環境(例えば森林植生)は、非木材森林産物の採取という人間活動を媒介として互いに深く影響を及ぼし合っていると考えられるが、その機序についてはほとんどと言っていいほど解明されていない。本研究は、特に15世紀以降の欧米列強によるアフリカ植民地化・委任統治期において、野生ゴムをはじめとする樹液資源、象牙、野生獣肉など世界規模での交易がおこなわれたことに着目し、過去における非木材森林産物の利用がどの程度持続的であったのかを植物性の資源に着目して解明することによって、現代的課題に歴史的な視点からアプローチする道を拓く。