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Research Activities研究活動

研究プロジェクト

言語音の多様性の外延の理解拡大:3基軸データによるカラハリ言語帯の音韻類型論

中川裕(東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院)

【研究課題】言語音の多様性の外延の理解拡大:3基軸データによるカラハリ言語帯の音韻類型論
【研究費の枠組み】日本学術振興会科学研究費基盤研究(A)(課題番号:20H00011)
【研究期間】2020年度~2024年度
【研究代表者】中川裕(東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院)
【研究目的】

 本研究は、人類の言語音の多様性を探求する研究分野「音韻類型論」における従来の研究の閉塞状態を打破し、これまで顧みられなかった2 つの問題に挑む:すなわち、「言語音の限界縁はいかなるものか?」と「その限界縁をなす稀少特徴はどのように説明できるか?」である。言語音の多様性の本質ともいうべきこれらの問題に、従来の研究は迫ることができなかった。これらに取り組むために、本研究はこの研究分野に3 つの新規性をもつ方法論を導入する:(i)世界中に遍在する「ありふれた音韻特徴」を重視する従来のアプローチを逆転させて、地理的に偏在する「めずらしい音韻特徴」を重視する新アプローチを採用する点;(ii)世界で最も複雑な音類を多用するコイサン諸語 (カラハリ言語帯)の精査によって、言語音の複雑度の限界範囲の解明に挑戦する点;(iii)音素目録に基づく頻度調査に依存しがちだった従来の研究に対し、整備された音素目録・語彙・テキスト3 基軸を使ったデータセットによる多視座的頻度調査を世界で初めて実施する点である。

科研データベース
https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-20H00011/