2019年度 活動日誌

3月 活動日誌

2020年3月31日
GJOコーディネーター 古屋

2月の試験でみごと東京外国語大学への留学候補生に選ばれた3年生のGさん(女子学生)と2年生のYさん(男子学生)。試験勉強から解放されたと思ったら今度は留学書類の準備で大わらわとなりました。なかでも健康診断書は、複数の病院を回らなければならず、しかもそれぞれの病院で相当時間がかかるとのことで、試験後すぐに着手しなければ提出期限に間に合いません。オンライン申請では途中でインターネットの接続が切れたり、後から記入もれや誤記入に気づいたりと何度もやり直してぎりぎり締め切りに間に合いました。両人の日本への思いは並々ならず、これまで大学の授業のほか民間の語学学校に通ってまで日本語を勉強してきました。日本留学という大きな夢が間もなく実現しようとしています。

一方、大学の通常授業では平仮名を終え(一部クラスは片仮名も)、4月上旬の中間試験を待つばかりとなりました。授業ではほぼ毎回、小テストを実施して前回までの知識を確認します。勉強に熱心でない学生がやはり一定数はいるもので(日本語クラスの場合、それは男子学生である場合が多い)、2月末から、得点が5割未満の学生に対して土曜日に再テスト、再々テストを課すことにしたところ、そのような学生の多くは(土曜に自由時間を奪われたくないので)初回テストで良い点数を取るよう頑張るようになりました。毎回の小テスト(毎週数百枚の答案を採点)や再試験の実施は教師にとっても負担ではありますが、学生にこまめに勉強させるための一手段として続けていこうと考えています。

またこのたび、昨年国際交流基金に申請した30数冊の図書が、大学図書館での登録手続きなどを経て、GJOに届きました。前任講師が日本語教師用の良書を多く選んでおり、後任者としてはありがたい限りです。同基金および日高講師に感謝申し上げます。

2月 活動日誌

2020年2月29日
GJOコーディネーター 古屋

半月ほどの冬休みも終わり、2月3日、新学期(後期)が始まりました。教務課からクラス編成・時間割が示されました。

後期の授業数は週9コマ、各コマ80分。学部の授業は基本的に午前に行われます(午後は大学院)。日本語受講生は、国際関係・政治、国際経済、国際貿易、国際金融、国際経営、保険の6学科の学生、総勢約130人で、多くは学部3年生です。学生は週2回、日本語を受講することになります。基本的に、6学科のクラスそれぞれに対して授業が行われますが、一部は合同で行われます。国際金融・国際経営・保険の3クラス合同授業というのもあり、学生数は約60名に及びます。GJOの収容人数を超えるので、講堂を使います。

これまで英語以外ではどんな外国語の授業を履修したか受講生に聞いてみると、多くはイタリア語、中国語と答えましたが、中には日本語を履修したという学生も相当数います。日本語既修者は自信があるので教室の前の方に陣取り、積極的に発言しますが、未修者はかなり遠慮気味。その辺をどうするかが今後の課題となりそうです。

課外活動(午後)としては、これまでに引き続き、初級・中級コースをGJOで開講。2月11日には日本映画上映会を行いました。素材は日本大使館からお借りしました(感謝)。

以上のほか今月は、東京外国語大学への留学生2名を選抜するための試験を実施、また学外では国費外国人留学説明会、日本語弁論大会の開催に向けた初会合などに参加しました。

1月 活動日誌

2020年1月31日
GJOコーディネーター 古屋

当地の正月休みは短く、1月2日には今年最初の授業が始まりました。年末までに平仮名を学び終え、また正月という時期も考慮に入れて、授業の枠内で新年かるた大会を催すことにしました。

まずはプロジェクターを使用してプレゼンテーションを行い、かるたとは何か、競技のルール、かるたの種類や歴史について説明。最近はマンガ・アニメ「ちはやふる」の影響もあって百人一首かるたが国内外でブームとなっていることにも言及しました。

初学者に百人一首はさすがに無理なので、いろはかるたで競技をするしかありません。取り札は学生に作らせました。この日は、取り札を作ったところで授業が終了。翌3日に「かるた大会」を実施しました。24名のクラスを4つのチームに分け、各チーム6人が競い合います。プレゼンテーションだけではピンとこなかった学生も実際に競技をやってみると次第に面白さが分かってきたのか、雰囲気がややエスカレート気味に。日本の生徒がかるた遊びをするのと同じような光景となりました。各人の得点は7~10点(1枚1点)の間におさまりました。教える方としては、短期間で平仮名を覚えてくれたことが確認でき、一安心しました。

以上の新年かるた大会をもって前期の授業が終了しました。1月14日に期末テストを実施、点数が良くなかった学生には厳しく再試験、再々試験を行いました。期末テスト期間の後は冬休みです。地方出身者はたいがい帰省するので、学生寮は閑散とします。 首都在住の学生や帰省しなかった一部日本語学習者から冬期講習を行ってほしいとの要望があり、中級・初級クラスそれぞれ週3回程度レッスンを行いました。というわけで、日本語教師に冬休みはありませんでした…。

12月 活動日誌

2019年12月31日
GJOコーディネーター 古屋

11月末日、関係各位による働きかけが遂に報われ、待ちに待った「招待状」(査証発給の前提となるトルクメニスタン発行の入国許可証)が手元に届き、12月4日、トルクメニスタン入国を果たしました。IUHD外国人受入担当のW先生が朝3時から空港で待機してくださっていました。

最初の数日は授業もなく、学内関係者への挨拶まわりや生活立ち上げ作業をして過ごしました。最近までTUFSに留学していたIUHD3年生のBさんがフットワーク軽く支援してくれるので、大助かりです。

入国初日にGJOオフィスと「初対面」しました。IUHDは新設校なので当然といえば当然かもしれませんが、GJOオフィスも新しくきれいで、必要な設備が整っています。他の科目と共用の教室だと使いたい時に使えなくて困ることがありますが、GJOオフィスは日本語専用のスペースとして独占的に使用できますので、これは本当にありがたいことです。ただ1点、教室の奥にある本棚を見ると、テキストや問題集、参考図書が十分に用意されているとは言えない状況なので、関連教材の充実も進めていきたいものです。

11日に最初の授業がありました。教師の着任が大幅に遅れたため、前期(9月~1月)に日本語を履修するのは国際関係・国際政治専攻の2年生のみとなりました(20数名、週2回)。年内の6回の授業でひらがなを一通り終えることができましたので、年明けにはいろはかるた競技をしながら知識の定着を図ります。

(単位が与えられる大学の授業とは別に)GJOの活動としては、日本語学習希望者を初級と中級の2クラスに分けて、それぞれ週に2回、3回のペースでレッスンを行いました。25日と28日には両クラス合同で、日本大使館からお借りしたDVD「世界遺産・日本編 ─ 屋久島」を閲覧し、ディスカッションを行いました。樹齢数千年の巨大杉や亜熱帯の海底などが織りなす独自の生態系に関心が集中しました。

7月 活動日誌

2019年7月9日
GJOコーディネーター 日高 晋介

7月です。相変わらず暑い…しかし、日本とは違って、非常に空気が乾いています。日本は梅雨真っ最中なので、じめじめしているのでしょう。今から戦々恐々としています。

さて、7月を振り返ってみましょう。といっても、6月末で授業と試験は終わってしまったので、後任への引き継ぎを作ったり、GJOオフィスを整理したりしていました。そして、業務整理している最中に、学長に呼ばれました。話の内容としては、今後もぜひ東京外国語大学との関係を維持したい、とのことでした。IUHDで日本語あるいは日本文化に興味を持つ学生がもっと増えたらうれしいですね。また、トルクメニスタンの銀行口座から日本の口座へ直接送金を行うために、何回か銀行へ行きました。IUHDの受け入れ担当者であるNurmuhammet先生が事前にいろいろ書類を手配してくださったため、スムーズに手続きができました。

そのNurmuhammet先生ですが、7月上旬になんと副学長に昇進されました。おそらく東京外国語大学を含め、様々な海外の大学とのお仕事が評価されたのでしょう。今まで以上に、IUHDと東京外国語大学との関係が深くなることでしょう。

最後に、関係各位に御礼を申し上げます。10か月トルクメニスタンという地で仕事ができたのも、多くの方々のおかげです。特に、東京外国語大学の国際化拠点室、IUHDのNurmuhammet先生、IUHDの学生たちには、とてもお世話になりました。重ねて御礼申し上げます。今後のIUHDと東京外国語大学とのより良い関係の維持と発展を祈念して、私のIUHDでの活動日誌を終わりにしたいと思います。

6月 活動日誌

2019年6月30日
GJOコーディネーター 日高 晋介

5月の日誌を見ると「太陽光線が殺しにくる」と書いてありますが、6月になっても太陽光線の勢いはとどまることを知らず…ここ最近は40度近くの気温が続いています。体調は問題ないように思っていたのですが、6月の最後の最後にお腹を壊し、少しダウンしました…あとでも述べますが、授業関連の業務が完全に終わり、気が抜けたのもあるのかもしれませんね。

さて、6月を振り返ってみましょう。ほぼ一か月がテストに費やされています。8日土曜日から18日火曜日までが期末テスト期間です。私は、試験問題と同じ設問の課題を作成し、一人ひとりの課題をコンサルテーションまでに添削し、コンサルテーションの時にもちゃんと解説を行いました(コンサルテーションとは、試験前に行う対策授業のことです)。その結果、8割以上の学生は追試を受けることはありませんでした(2割弱の学生についてはご想像にお任せします)。さらに、22日土曜日から25日火曜日まで追試期間で、27日、28日再追試でした。28日で試授業関連の業務はすべて終了しました。感慨深いですね。

また、19日水曜日に、当地で働く日本企業の方々の懇親会ついでに、7月で離任する日本人日本語教師の送別会を開いていただきました。私がこちらに来てから一番日が浅いのにもかかわらず、一番早くこちらから去るということを知り、非常に恐れ多い気持ちになりました。来月にも送別会を開いていただくので、これまた恐れ多いですね。

今月は、日本とトルクメニスタンとの関係でも、大きな動きがありました。今月28日には、川崎重工業が手掛けたGTG (Gas To Gasoline)プラントの完工式が行われました(参考までに:web記事「川崎重工:世界最大のガス・ツー・ガソリン(GTG)プラントがトルクメニスタンで完成」)。日本にいるとよく見えないのですが、先月もお伝えしたように、日本企業のみなさんが現地の人と共に当地でも活躍しています。日本語を学習したIUHDの学生にも、当地の日本企業での活躍を期待したいところです。また、GTGプラントの完工式に関連してかどうかはわかりませんが、トルクメニスタン航空が東京・アシガバード間の直行便を運航しました(ただし、チャーター便。27日に東京からアシガバードへ、29日にアシガバードから東京へ。)今後、両国の交流がさらに深まるとよいですね。

もう授業はないのですが、帰国までにやらねばならないことがまだ残っています…それについてはまた来月の日誌に書きたいと思います。

5月 活動日誌

2019年5月31日
GJOコーディネーター 日高 晋介

5月になりました。5月全体を通して、夏のような気候が続きました。ある日は35度を超える日も…35度を超えて40度近くなると、太陽光線が殺しにくるような感覚に陥ります。日本の夏も厳しいですが、こちらの夏はこちらの夏で人体には大分厳しいようです。暑さは厳しいですが、IUHDとTUFSのみなさまのおかげで、私は日々元気に楽しく業務に携わることができています。

五月はIUHDでは特に大きなイベントはなく、淡々と過ぎていくものかと思いきや、振り返ってみると色々ありました。まず、5月4日に、オグズハン大学で「サイエンスフォーラム」が行われました。オグズハン大学に勤める日本語教師が主体となって開催されたイベントです。内容は、日本企業に勤める方々(川崎重工業、住友商事、三菱商事)と、筑波大学から派遣の理系の先生方の講演(それぞれ現地教員によるトルクメン語通訳あり)があり、日本語を学ぶ学生による日本語での発表もありました。特に、トルクメニスタンで活躍している日本企業の方々のお話を直接伺うことができ、私自身大変勉強になりました。川崎重工業が天然ガスからガソリンを作るプラントを、住友商事が発電所を、三菱商事が尿素肥料プラントを、それぞれ建設しているとのことです。

5月中旬からは、新たな試みとして、GJOオフィスにて、スタジオジブリのアニメーション映画を週1回ほど上映しました。「日本のアニメが見たい」「日本の映画が見たい」と学生からの要望があったので、日本大使館からスタジオジブリのDVD(英語字幕付き)を借りてきました。五月末までに4本の映画(天空の城ラピュタ、魔女の宅急便、紅の豚、崖の上のポニョ)を見ることができました。私としては「魔女の宅急便」を見た時、主人公が慣れない街で悪戦苦闘する姿を見て、自分自身の今の境遇に重なり、おもわず泣きそうになりました…

下旬には、東京外国語大学の国際拠点室から、私がお願いしていたJLPT(日本語能力試験)関連の本が届きました。アシガバートでは、今年12月にJLPTが実施される予定であるため、問題集をお願いしました。さっそく学生たちに見せたところ、大変喜んでいました。これをきっかけに、学生たちが日本語の勉強に一層力を入れることを望みます。

そして、5月27日から29日まで、中等教育機関向け日本語教科書(4年生と8年生(中学二年生相当))の録音に参加しました。この教科書は、国際交流基金の上級専門家が先導して作成しています。日本語を教える以外にも、このような教科書作成の現場に立ち合うことができ、これも大変勉強になりました。なお、トルクメニスタンの中等教育機関における日本語教育については、上原(2018)および、国際交流基金ウェブページ「日本語教育 国・地域別情報 トルクメニスタン(2017年度)」の「中等教育」の項をご覧ください。

さて、来月はほぼ一か月が試験に費やされます。どうなることでしょう。来月も引き続き、気を引き締めて業務に携わりたいと思います。

4月 活動日誌

2019年4月30日
GJOコーディネーター 日高 晋介

4月です。中旬は、冬に逆戻りしたような気温となり(それでも15度くらい)、こちらでは珍しく雨がずっと続くというすっきりしない天気でした。しかし、下旬は一気に気温が25度以上まで上がり、夏のような気候となりました。

4月と言えば、6日から12日まで第二セメスターの中間試験がありました。先学期の経験から、勉強しない学生は本当に何もしないので、とりあえず宿題を課して点数をあげるという方法を取りました。宿題とテスト範囲はほぼ一致しているにもかかわらず、テストができないという学生がある程度いましたが…。彼らを勉強や学問に向かわせるにはどうしたらよいのか、考える毎日です。

4月は大きなイベントが二つありました。一つは日本語コンテストです。27日(土)にアザディ世界言語大学にて実施されました。国際人文開発大学からは3名の学生が参加しました(うち2名が詩の暗唱部門、1名がスピーチA(初級者)部門に参加)。詩の暗唱部門で、1名が2位入賞を果たしました。今年からは、スピーチB(中級者)部門にも参加できる学生がいたのですが、卒業論文の口頭試問の時期と重なってしまい、IUHDからは出場者を出すことができませんでした。私自身もこのようなコンテストにおけるスピーチの指導をするのは初めてでしたので、試行錯誤の日々でした。コンテスト指導の試行錯誤に関しては、国際交流基金日本語指導助手大内先生による『日本語教育通信 日本語コンテスト特集号』(PDFファイルが開きます)をご覧ください。IUHDのみならず、他の大学の様子もわかりますので、ぜひご覧ください。

5月は、試験も大きなイベントもないので、何か日本語関連でイベントができればと思っております。さて、何をしますかね。

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