2017年度 活動日誌

3月 活動日誌

2018年4月2日
GJOコーディネーター 中村 彩希

3月に入り、春の日差しが舞い込む季節となりました。トルクメニスタンの気候は、暖かい日が続いたと思えば、急に寒くなったり、そうかと思えば、また暖かくなったり…と、ジェットコースターのように気温が変化します。「衣替え」はどうしているのだろう…という興味とともに、短い春の気候を楽しむ日々が続きます。

3月は、イベントが盛りだくさんの1ヶ月でした。特に、今回は、東京大学の学生との交流、そして日本語コンテストについて紹介いたします。

(1)東京大学の学生との交流

3月の上旬、スタディーツアーの一環として、東京大学のみなさまが本学を訪れてくださいました。学内では、数回にわたりディスカッションが行われ、放課後の空き時間には、一緒に出かける機会をもうけていただきました。買い物に行ったり、一緒に食事をしたりと、同世代だからこそ共有できる時間を楽しんだようです。また、学内最終日には、東京大学の学生によるソーラン節や茶道といった日本文化の紹介が行われ、トルクメン人学生は興味津々。スマートフォンを片手に食い入るように見つめている姿が印象的でした。

日本語を勉強していたとしても、それを使う機会が限られている学生たちは、なかなか日本語学習の成果を感じることができません。日本がさも果てしなく遠い国のように感じることもしばしば。しかしながら、今回、日本人学生と交流する機会を持つことができ、リアルな日本語を聞き、「日本でまた会おうね。」という約束ができたことは、日本からの何よりのお土産になったことと思います。東京大学の皆様、本当にありがとうございました。

図1. フェアウェルパーティーの一枚
図2. 夕食後の一枚

(2)日本語コンテスト

トルクメニスタンでは、これまで、日本語を主専攻とするアザディ名称世界言語大学の学生を対象に、スピーチコンテストが実施されてきました。しかしながら、日本語教育の広がりを受け、今年から、その規模が日本語教育を行う全ての高等教育機関へと拡大されました。そして、第1回目の会場として、国際人文開発大学を選出いただき、当日を迎えることとなりました。

トルクメニスタンでも初の試みとなる日本語コンテスト。詩の暗唱、スピーチ部門A(入門・初級レベル)、スピーチ部門B(中級レベル)、そしてパフォーマンスの4つの部門から構成されます。国際人文開発大学からは、入門・初級スピーチ部門に3名、詩の暗唱部門に2名の学生が参加しました。学内ではコンテストに向けて、詩の暗唱出場の学生は、どんな風に詩を読むのか、発音や間の取り方を練習し、スピーチの部出場の学生は、部門共通タイトルの「日本へ行けたら…」というタイトルのもと、何を書いたらいいのか、それをどのように書いたらいいのかを考え、出来上がったスピーチをもとに、発音や間の取り方などを何度も何度も練習しました。そして結果は、スピーチ部門Aで1位、暗唱部門に3位入賞!と、華々しい結果となりました。入賞できなかった学生も、自信を持って発表を行い、見ているこちらの目頭が熱くなりました。

2018年秋学期から、交換留学制度が始まる本学ですが、トルクメニスタンの全国大会でこのような賞をいただけたことは、学生に自信とこれからの日本語学習の希望を与えてくれたことと思います。また、今回の結果は、東京外国語大学GJO設立の結果とも言え、このような機会を日本語教師として見守ることができることを大変嬉しく思います。コンテストに参加してくれた学生に感謝すると同時に、これからの彼らの成長に期待したいです。

図3. 日本語コンテストに参加した学生

2月 活動日誌

2018年3月3日
GJOコーディネーター 中村 彩希

2月になり、新学期が始まりました。約2週間のお休みがあったたため、学生とは久しぶりの再会です。今学期は、先学期から引き続き日本語を学習するグループ3つ、今学期から新しく日本語を学習するグループ1つを受け持ちます。以下、今学期の時間割です。

表1. 国際人文開発大学第二学期時間割(正規授業)


1時間目
8:30-9:50
Insurance Ⅱ

International, Private LawⅠ

International Public LawⅠ




International, Private LawⅠ

International Public LawⅠ

2時間目
10:00-11:20
International Trade Ⅱ Insurance Ⅱ
International Relations & World Politics Ⅱ International Trade Ⅱ International Relations & World Politics Ⅱ

先学期から持ち上がりの学生たちとは、和気あいあいとした雰囲気の中、授業をおこなっています。日本語が得意な学生、苦手な学生、いろいろな学生がいますが、それぞれの学生としっかり向き合っていきたいと思います。

また、今学期から日本語の勉強を始める学生は、24名です。学生は、ひらがなを勉強するところから、私は、学生の名前を覚えるところからスタートです。学生たちは、「昨日まで日本語を勉強するなんて知らなかった!」と半ば嘆きながらも、今月が終わるころには、「おはようございます」と元気に挨拶をし、一丁前にひらがなを書くようになりました。半年という短い期間ではありますが、日本語を勉強したことが、少しでも学生の将来の糧になればいいなと思います。

正規授業以外について言及すると、2月には、交換留学生選定にかかる日本語の試験を行いました。留学生として選ばれれば、さっそく来期の10月から、東京外国語大学で1年間過ごすことになります。試験で思うように点数がとれなかった学生からは、「先生、日本語をもっと勉強したいです」という声も聞かれ、交換留学制度の存在は、学生のモチベーションに大きな影響を与えているんだと再認識させられた瞬間でした。それと同時に、留学だけが日本語を勉強する理由になってはいけないなと考えさせられる瞬間でもありました。今学期も身を引き締めて頑張りたいと思います。

1月 活動日誌

2018年2月2日
GJOコーディネーター 中村 彩希

新年明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

トルクメニスタンの大学では、お正月休みが日本に比べて短く、12月31日と1月1日に休みを取り、1月2日からは、通常通り授業を再開します。しかしながら、この短い期間でも、寮に住む学生たちは実家に帰り、家族との時間を楽しんだようです。

トルクメニスタンのお正月では、12月31日から1月1日にかけて、それぞれの家庭でたくさんの料理を作り、親戚や友人を家に招いたり、招かれたりします。日付が変わる瞬間は、花火が上がったり、クリスマスツリー(トルクメン人は、ニューイヤーツリーと呼んでいるようです)の周りで踊ったりします。そのため、「家でのんびり寝正月」というよりも、「みんなでわいわい新年フェスティバル」のようなイメージに近い印象を受けました。ただ、たくさんのご馳走を食べることや、家族との時間を大切にするという点は、日本と共通するものがあるなと感じました。

大学での日本語教育について紹介すると、1月で第1学期も終了となり、期末試験を行いました。点数には幅がありましたが、数名の学生は100点をとりました。試験の内容は、ひらがな・カタカナのライティング、助詞や語彙、簡単な翻訳や単語並べ替え問題などです。普段の授業から、努力が垣間見える学生は、やはりいい点数をとります。そんな努力が報われ、学生の顔には笑顔が見られるとともに、教師の私も嬉しくなりました。

今学期を振り返ると、学生に支えられ続けた4ヶ月間でした。授業に躓いたときや、イベントで忙しいとき、いつも学生たちが手を貸してくれます。そんな環境に身を置けることに感謝するとともに、2学期も身を引き締めて頑張りたいと思います。

12月 活動日誌

2018年1月4日
GJOコーディネーター 中村 彩希

12月に入り、冷え込みが厳しくなってまいりました。トルクメニスタンでは、新年に向けた飾り付けが始まり、あらゆるところにクリスマスツリーが並んでいます。聞くところによると、クリスマスツリーは日本の門松のような位置づけらしく、文化の面白さに気付かされます。

(1) Language Festival

12月の初旬、Language Festivalが開催されました。IUHDでは、英語はもちろんのこと、中国語、イタリア語、日本語の授業が開講されています。今回は、言語ごとに、展示会・パフォーマンスが行われました。

我らが日本語グループは、「日本」をイメージした小さな劇を行いました。準備期間は1週間と短かったのですが、学生たちは大健闘。3位という結果になりましたが、私の中ではもちろん1位です!展示会では学生のリクエストで、書道で名前を書きました。最初は私が書いていましたが、途中からは学生にバトンタッチをしました。カタカタはまだ勉強中だったのですが、いい練習になったようです。ところどころ間違いはありつつも、とっても上手に書いてくれました。

【図1.名前を書く学生(左)】
【図2.大活躍した学生たち(右)】

(2) 授業について

授業は、当初予定していたよりもゆっくりペースで進んでいます。今学期は、ひらがなとカタカナ、教科書『まるごと入門A1』の半分が終わりました。『まるごと』には、「かつどう」編と「りかい」編の2つのタイプの教科書があるのですが、本学の日本語の授業は1年間だけのため、「話す」ことに重きを置いた「かつどう」編を授業では使用しています。しかしながら、それだけでは物足りないと感じたため、「りかい」編をもとに文法プリントを作成し、それぞれの課のまとめとしています。

【図3. 文法プリント】

週に2回、日本語を何も知らないところから、ここまでできるようになりました。学生の努力には感銘するとともに、「先生、しっかり教えてくださいね」と背中を押してもらっている気がします。1月には期末テストを控えています。今学期の成果を見るのが楽しみです。

【図4. 樋口一葉について紹介する学生】

また、授業の中で「お金」を取り扱う場面があったので、それぞれの紙幣の人物について調べて、発表してもらいました。日本語だけでなく、日本の歴史や社会について知ることも大切だと思うからです。「福沢諭吉」について調べてくれた学生のプレゼンテーションでは「慶応大学」も紹介され、学生からは「慶応大学で修士をとることができますか?」という質問がありました。このように、日本の大学で修士を取りたい学生も多くいます。ぜひこれをきっかけに、日本の大学を目指してほしいと思います。

最後に、オープンクラスについて紹介します。昨年度から、IUHDではオープンクラスが行われているのですが、今年は9月のアジアーダ(アジア・インドアマーシャルアーツゲームズ 通称アジアーダ 参照:9月活動日誌)、10月はその補講、そして11月は中間試験と調印式・開所式が行われたため、なかなかオープンクラスをスタートできずにいました。また、それぞれの学生のレベルに見合った授業と日本語教師がわたし一人だけ、という現状を踏まえるとやはりその実施は難しく頭を悩ませています。しかしながら、やってみなければ分からない!ということで、12月はトライアルのつもりでオープンクラスを始めてみることにしました。レベル分け、授業周知とその進め方が今後の課題となりそうです。また、1月で今学期の授業が終わるため、次のセメスターをあらたな節目とし、オープンクラスについては考えていきたいと思います。

11月 活動日誌

2017年12月2日
GJOコーディネーター 中村 彩希

11月の一大イベントはなんといっても、11月20日に東京外国語大学から立石学長、伊東副学長、島田講師を迎え、交換留学に関する覚書調印式ならびにトルクメニスタンGlobal Japan Office(GJO)の正式な開所式が執り行われたことです。今回は、調印式・開所式に向けた準備と当日の様子についてご紹介したいと思います。

【準備編】

(1)ポスター作り

まず、「日本」をテーマにポスター作りを行いました。もともとは、典型的な日本に関するポスターを作ってもらう予定だったのですが、学生の「わたしたちの日本のイメージを描いたらどう?」という一言から、学生たちが思う日本について描いてもらうことにしました。侍、忍者、神社、ディズニーランド、ロボット、富士山…思い思いのイメージをもとにポスターを作成しました。

(2) If I go to Japan, I want to…

「日本に行ったら何をしたい?」をテーマに、大きなポスターを作成しました。

If I go to Japan, I want to,
• See the rising the sun in the Land of Rising sun
• Introduce Turkmen culture and mentality
• Meet with smart people to learn how to make best technologies
• Buy cars and start my own transport business in my home country
• Buy a robot friend

などなど…。「そんなことを考えていたのか!」と内心驚きながら、学生たちの思いを知るいい機会にもなりました。ぜひ、日本に行って叶えて欲しいなと思います。

(3) 展示準備・教室の飾り付け

作成したポスター等をもとに、ホール展示物の準備・GJOの飾り付けを行いました。準備〜当日の展示説明まで、学生が主体となってくれました。忙しい中、手伝ってくれた学生には頭があがりません。

【当日編】

(1) 調印式

調印式では、両大学学長からの挨拶、伊東副学長からのプレゼンテーションが行われました。また、覚書署名の瞬間は、会場中が祝福の拍手で包まれ、立石学長から、IUHD学長に絵画が贈られました。伊東副学長からは、オノマトペに関するプレゼンテーションをいただき、学生たちは目を輝かせていました。

(2) GJO開所式

トルクメニスタンGJOは、2016年9月に開所したのですが、今回の学長訪問を機に、正式な開所式が行われました。開所式では、日本語の授業、質疑応答、伊東副学長からのクイズ、学生からの感謝の言葉、そして、GJO前での記念撮影にて幕を閉じました。

日本語の授業は「言葉」をテーマに選び、これまで学習した自己紹介を踏まえ、20名の学生に対し約30分の授業を行いました。IUHD学長・副学長、東京外国語大学御一行、在トルクメニスタン日本大使館やその他日本語教育機関の方々が見守る中の実施となり、どうなることかと思いながら取り組みましたが、一番緊張していたのは私だったようです。勉強したことを使い、自信を持って日本語を話す学生の姿についつい感動してしまいました。また、授業のあとは、学生からの質疑応答、伊東副学長からのクイズ、最後に学生からの感謝のスピーチを行い、その場を締めくくりました。

今回の調印式・開所式は、学生にとってもかけがえのない思い出となったようです。また、これ以降、目の色を変えて日本語学習に取り組む学生も見受けられます。交換留学に対する期待も高まっていることから、ぜひ、学生には日本留学に挑戦してほしいなと思います。

10月 活動日誌

2017年11月2日
GJOコーディネーター 中村 彩希

こちらに来て、約二ヶ月が経ち、10月から正式に授業が始まりました。

今学期担当するのは、以下のグループです。


1
(8:30-10:00)

International Trade International Trade


2
(10:10-11:40)

International Relations and World Politics Insurance Insurance
International Relations and World Politics

上記の通り、今学期はそれぞれのグループに対し、基本的に90分授業を週に2コマ行います。最初の1ヶ月は、ひらがな、基本的な挨拶、自己紹介や家族について話すことなどを行いました。ひらがなにいたっては、「難しすぎる。」「なんだこの文字は…。」と最初は笑いすら起きていましたが、わ行に入る頃には、もうお手もの。「これとこれが似てる!」「なんだか笑っている顔みたい!」「これは馬に見えるぞ…。」などなど学生たちの意見もさまざま。「先生、今日はゲームをしましょう!チーム対抗戦です!」と、提案してくれる学生もいます。学生が自ら気づき、そして、その気づきを大切にできる授業をできればと思います。そして、意外だったことは、文字を書くことが好きな学生も多いことです。ひらがなが書けること、読めることは、学生たち自信につながっているようでした。

トルクメニスタンという土地では、「何のための日本語なのか」「どうして文字を勉強する必要があるのか」など、基礎的なところから問い直す必要があります。最初は、文字を導入すべきかどうか迷いましたが、学生の自信につながっている、という点では、この判断は間違っていなかったのだと思います。

そうはいっても、学生たちのモチベーションはさまざまです。こちらでは、大学のシステムの都合上、ほとんどの学生たちは、自動的に日本語の授業に振り分けられます。そのため、「日本語が勉強したい!」とモチベーションが高い学生、「日本語には興味がない」と頭が下がりっぱなしの学生、いろいろな学生がいます。時には、「日本語は勉強したくない」と面と向かって言われることもあります。そんな学生の頭を少しでもあげることができれば、と奮闘する毎日が続きますが、1年かけての大きな課題となりそうです。

9月 活動日誌

2017年10月2日
GJOコーディネーター 中村 彩希

2017年9月より、GJOトルクメニスタンのコーディネーターを担当する中村です。IUHD(International University for the Humanities and Development)における日本語教育やその他活動について、幅広くご紹介できればと思います。

さて、9月に着任し、「授業をするぞ」と意気込んでいたのですが、結論から言うと、授業はほとんどできず、1ヶ月が終わってしまいました。なぜなら、トルクメニスタンの歴史に残るであろう「第5回アジアインドア&マーシャルアーツゲームズ」が開催されたからです。トルクメニスタンでは、学生たちは行事に“ボランティア”として参加します。ボランティアといっても学生にはシフトが割り当てられ、決まった時間に決まった仕事をします。トルクメニスタンでは、授業よりもこのような国のイベントの方が重視され、授業がなくなることもしばしば…。授業があると思い、教室に行っても誰もいないということもしばしば…。最初は驚きましたが、これぞお国柄と理解し、そんな事情を踏まえて、授業を組み立てていかなければと学んだ9月でした。

オリンピックについて少し紹介すると、実は、このオリンピックには、フットサルやレスリングをはじめとして、日本からの選手団も参加しています。最初は、授業ができないことや、街中がこのオリンピックのために交通規制されていて、「早く終わって!」と思っていましたが、実際に試合を見に行くと、大盛り上がり。楽しい思い出となりました。

また、授業こそできませんでしたが、思い返せば、9月は大学制度の理解やシラバスの作成、日本語教育事情の把握等に時間を費やし、あっという間に終わってしまいました。また、前年度と状況が変わっているようで、それを理解するにも一苦労。学生達は基本的に1年しか日本語を勉強しないとのことで、本学における「日本語教育」の位置付けについても考える必要があるなと考えを廻らせています。

「日本語を話したい」と学生や先生たちは口々に話します。その一方で、日本語は難しすぎる、と日本語学習を諦めてしまう学生も多いようです。1年間、学生に寄り添うような日本語教育ができればいいなと思います。

6月 活動日誌

2017年7月1日
GJOコーディネーター 十亀 侑子

今月は期末試験週間がありました。私にとっては最後の試験なので、筆記試験ではなく日本語を勉強している専攻全部で合同日本語スピーチ大会を開催し、それを期末試験としました。

試験の後、すしパーティーをGJOでしました。前日、試験勉強で忙しいにもかかわらず、2人の学生が手伝ってくれ、5時間かかって25人分の海苔巻とポテトサラダを作りました。

結構、準備は大変そうに思うかもしれませんが、学生たちと楽しく料理しました。もちろん、私一人だったら絶対実現しなかったでしょう。

スピーチコンテストには他の教員も見学に来てくれ、すしパーティーにも参加してくれました。そして、ジャーナリズムの先生がその日の写真やビデオをまとめた感動的なビデオクリップを数日後プレゼントしてくれました。

ここで働けて本当に良かったと思っています。

5月 活動日誌

2017年6月1日
GJOコーディネーター 十亀 侑子

来週から期末試験が始まります。今年度は今週で授業は終わりとなります。昨年9月に赴任してきて、あっという間でした。色々と学ぶことが多かったです。

これまでにも、正規の授業に加え、GJOの活動の一環として午後に2つオープンコースを開講していることを何度かお伝えしたと思います。午後開講のオープンコースには希望者が参加するので、学生たちの学習意欲が高く、心の支えでした。現在、正規に教えているクラスは4グループで、合計73名の学生が必修科目として私の日本語のコースを取っています。しかし実際に学習しているのは24名です(詳細は3月の体験記をご参照ください)。

今学期から午後のオープンコースでは2名の学生が私の指導の下、他の学生に日本語を教えています。彼らは前学期に毎日一般開講の午後の授業の他にもう一時間日本語を勉強しました。さらに、かなりの宿題もこなしました。目標である『Elementary Japanese』のVol.1とVol.2の両方を今年度末までに終わらせることはできませんでしたが、よく頑張ってくれました。日本語教育以外でも様々な面で私をサポートしてくれました。

バルカンさんは国際経営学部所属の学部二年生で、週に二回ライティングのクラスを担当してくれました。日本語は文字を覚えるところで難しすぎると感じて諦めてしまう学生が多いです。彼は持ち前のプレゼン能力を発揮して他の学生たちに日本語の文字を覚える面白さを教えてくれたと思います。また、彼のように日本語がうまくなりたいと、他の学生のモチベーション向上にもなったことでしょう。

アクヌルさんは国際関係学専攻の学部二年生で週に二回文法のクラスを担当してくれました。物静かでもう一人の学生講師とは正反対のパーソナリティを持っていますが、彼女の説明はシンプルかつ非常に的確で、ロシア語話者トルクメン人学習者ならではの文法解説を行ってくれました。二人に手伝ってもらうことを決めてよかったと思います。外国語で外国語を勉強するということはなかなか難しいことでしょうから。

二人とも英語力が高く、教わったことの呑み込みも早いです。今学期は他の学生に教えながらも自分たちも更に日本語の理解を深めています。IUHDとTUFS間での交換留学プログラムが来年度より始まるのであれば、ぜひこの二人には挑戦してもらいたいものです。

4月 活動日誌

2017年4月
GJOコーディネーター 十亀 侑子

今月はスピーチコンテストが三件ありました。一つは中等教育レベルの学校間で行われました。もう一つは毎年恒例のアザディ名称世界言語研究所の学内日本語弁論大会でした。最後の一つは、またアザディ名称世界言語研究所主催のLanguage Festivalでした。本学の学生もLanguage Festivalに参加しました。中間試験中だったので本学からの参加希望者はたった一人でしたけど。

4月22日は国交25周年でした。JICAと国際交流基金の御一行が本学を訪れてくださいました。国際交流基金の団体訪問に際して本学ではカンファレンスが行われ、そこでGJOトルクメンコーディネーターとして発表する機会を頂きました。

4月後半はたくさんイベントがあり、最後の一週間はほぼ授業ができませんでした。インドア・アジア・オリンピックのいくつかの種目が開催され、学生たちは観客として参加しなければなりませんでした。アハル・テケという美しいトルクメニスタンの馬のコンテストには海外からの観覧者もいて、本学の学生たちは主に通訳としてボランティアに駆り出されました。そして4月28日には本学のオープン・キャンパスがありました。皆さん大忙しの一か月でした。

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