2015年度 活動日誌

3月 活動日誌

2016年3月31日
台湾オフィスコーディネーター 中西 大地

亜熱帯気候に属する台湾北部は年間を通して降水量が多い地域ですが、淡江大学があるここ淡水も例外ではなく、毎日しとしとと雨が降り続いています。しかし、3月も終わりに近づき、ようやくふとした時に晴れ間も見られるようになってきました。それと同時に今まで眠っていた緑も一斉に芽吹き始め、キャンパス内はさわやかな新緑が春の訪れを告げています。

今月はじめ、東京外国語大学から約700冊もの図書が淡江大学に到着しました。図書は全て東京外国語大学の図書の担当者が選書を行っており、学術的な書籍や学習参考書にとどまらず漫画などもあるため、海外で日本語を学ぶ学生たちにとっても大変気軽に手に取りやすいラインナップとなっています。

到着後、早速ポスターを制作し学内で告知を行ったところ、学生たちからの図書に対しての反響は大きくあり、GJOオフィスへの訪問者も目に見えるほど増加しました。とりわけ日本のサブカルチャーに興味を持ったことで、日本語の学習を始めたという学生が多いということもあり、そのような本が一際手に取られる機会が多いように感じます。

来室した学生からは図書の貸し出しの可否に関する問い合わせが多いのですが、現状では貸し出しへの態勢が整っておらず、その声に応えるべくもありません。またGJOオフィスに設置した書架の位置の関係で、学生たちが本を選ぶ際に少し選びにくいという課題も抱えています。こうした課題に対応するために早急に体制を整え、学生たちの要望へきめ細かいアプローチができるようにしていく必要性を感じています。

学生たちからはGJOオフィスに行ってみたいけど初めてなので少し不安だ、なかなか来室する理由が見つけられないなどという声をちらほらと聞くことがあります。そのような中で今後学生たちとGJOオフィスとを繋ぐ媒介として図書というツールが果たせる役割は大きいと思います。

次月度はGJOオフィスの受け入れ態勢をいっそう整えていくことを念頭に置きながら、オフィスの門戸をさらに拡充していきたいと考えています。また淡江大学にはチャットコーナーといって、留学生である外国人とその国の言語に興味がある台湾人学生とが自由に話せるフリースペースがあります。GJOオフィスでも学内の他部署と連携を図り、このような仕組みを作ることができないかと模索中です。今後もさまざまな角度から誰もが利用しやすいオフィス作りを心がけていきたいと思っています。

2月 活動日誌

2016年2月29日
台湾オフィスコーディネーター 中西 大地

2月に入ると、台湾では旧正月を祝う声が街のそこかしこで聞こえ始め、にわかに活気付いてきました。台湾のお正月はとにかくにぎやかで、その雰囲気にまだ慣れていない外国人にとっては新鮮な驚きを受けるような一週間であったと思います。そして、旧正月があっという間に終わったかと思うとすぐに大学では新学期となり、今度はキャンパスの中が学生たちの元気な声で満ちあふれるようになりました。また、寒さも少しずつやわらぎ始め、日本では季節外れであろう金木犀の良い香りがキャンパス全体を包んでいます。

今月の半ばから東京外国語大学の博士課程で学ぶ院生が来台し、本学のGJOオフィスを利用し自身の研究のための調査に協力を求められました。調査対象が本学学生ということで、新学期が始まったばかりのこの時期に思うように調査協力者が集まるかどうかと不安だったのですが、そこは台湾人の国民性ともいえる親切心を学生たちが如何なく発揮してくれ、予想以上の応募数という結果で応えてくれました。参加した学生たちにとっては非常に良い経験になったと思います。将来的に今回来台した院生と同じように研究者の道を志す、熱い向学心に燃える学生が出てきてくれることを期待してやみません。

また、今月はGJOオフィスコーディネーターとして東京外国語大学に赴き、二つの大きなイベントに参加しました。

一つ目は、2月19日(金曜日)に東京外国語大学にて開催された「世界展開力強化事業‐キックオフ・シンポジウム」です。これは文部科学省が推進している平成27年度大学世界展開力強化事業に関連したもので、東京外国語大学をはじめとした国内3大学と中南米の大学を結び、実践型のグローバル人材育成を養成することを目的とした事業です。中南米の関係大学から関係者を招き、各大学の事業内容についての詳しい紹介や、有識者によるプログラムに対しての期待などをテーマにしたパネルディスカッションなどが行われ、充実した内容のお話を拝聴することができました。

二つ目は、2月26日(金曜日)に同じく東京外国語大学で「GJOコーディネーターオリエンテーション」が行われました。現在(平成28年2月29日現在)、世界各地にGJOオフィスは8拠点ありますが、そのうちの4拠点からコーディネーターが集まり、スーパーグローバル大学創成支援の進捗状況や、GJOの今後の展開についての詳しい説明を受けました。また、東京外国語大学の施設見学や関係者の方々との懇話を通じて、今後の方針について理解をより深めるとともに、GJOオフィスの役割への期待をさらに高めることができました。

以上、二つのイベントはGJOオフィスコーディネーターとして参加したものでしたが、大変有意義であり、今後のオフィス運営の大きな助けになる活動になったと思います。

目下、GJOオフィスとしての特別なイベントは予定していませんが、次月、次々月とさらに幅広い活動を行っていけるように準備をしつつ、今後も日本と台湾とを結ぶ架け橋としての役割をますます醸成していければと思っています。

1月 活動日誌

2016年1月31日
台湾オフィスコーディネーター 中西 大地

旧暦で暦を見る台湾では、1月半ばから冬休みになり、2月の前半から旧正月に入ります。年の瀬を目前に控えて、町では正月を迎える準備が始まり、どんどんとにぎやかになる一方で、キャンパス内はというと学生たちの帰省に合わせて少しずつ静けさが増してきました。2月の中旬から新学期が始まりますが、それまでしばらくの間は学生たちの元気な声を聞くことはできそうにありません。

今月は前半が期末テスト、後半からが冬休みということで、GJOオフィスもわりとひっそりとしていたという印象の一ヶ月でした。それでも、時折学生たちがオフィスに顔を見せてくれたりし、学生たちにとって日本語を使って交流をすることができる貴重な場としての、GJOの意義というものを再確認することができました。中には東京外国語大学への留学に大変興味を持ち積極的に質問してくる学生の姿もあり、オフィスを運営する側としてはうれしいレスポンスもありました。

2016年度、淡江大学の上学期での活動を通して、GJOオフィスの運営の第一目標であった、学生への周知という点に関しては、かなり手ごたえが出てきたと思っています。今後の方針として、様々なイベント等を行い、さらに学生たちの視点に立ったオフィス作りをしていければと思っています。また、同時に日本を世界に発信していく一拠点としての役割もしっかりと果たしていけるようなオフィス運営を今後も心がけていくつもりです。

12月 活動日誌

2015年12月31日
台湾オフィスコーディネーター 中西 大地

南国の台湾でも12月に入り少しずつ寒さが厳しくなってきました。後ろを振り返ると、今学期の始まりがはるか遠くに見え、故事の本場である中華圏で「光阴似箭(光陰矢のごとし)」ということわざを実感しています。また、キャンパス内でも期末試験に向けて準備を始める学生たちの姿が、そこかしこで見られるようになってきました。

さて、今月は東京外国語大学と淡江大学とを結ぶ大きなイベントが二つありました。

一つ目は、東京外国語大学で行われる谷川道子氏の講演会を淡江大学で同時中継するという試みです。GJOオフィス開設以降、このような取り組みは初めてということもあり、参加者の人数や遠隔システムの調整など不安なことも多かったのですが、いざ講演会が始まってみると、予想以上の方々にご来場いただけ、システムにも大きな障害はなく、大盛況のまま講演会を終えることができました。結果として、次回以降に同様のイベントを行うための大きな弾みにもなり、参加してくださったみなさまにとっても大変実りの多い講演会になったのではないかと思います。

二つ目は、東京外国語大学の大学生たちの教育実習です。12月の後半から、総勢10名の大学生たちが淡江大学で一週間にわたる教育実習を行いました。初めは緊張の面持ちを隠せない様子でしたが、一週間の教育実習というスケジュールの中で、学生たちの表情が如実に変わっていくのを感じました。そして、最後には堂々と教壇に立つ姿を見せてくれました。淡江大学の学生たちも年頃があまり変わらない彼らの様子を見て、良い刺激になったことと思います。また、学生同士も交流を通じて友情を育んだようで、再会を約束しあう学生の姿も多く見られました。このような関係が末永く続いていき、将来的に日台の架け橋として彼らが活躍してくれることを期待してやみません。

旧暦の暦を用いる台湾では、次月の中旬が学期末でその後に冬休みに入ります。しばらくの間、学生たちの元気な声が聞こえなくなるのは寂しいですが、GJOオフィスとしても引き続き、学生たちにとってあって良かったと思われるような環境づくりをしていければと思っています。

11月 活動日誌

2015年11月30日
台湾オフィスコーディネーター 中西 大地

台湾の大学では新年度が始まり、はや2ヶ月あまりが経ちました。日本と同様に二十四節季が用いられる台湾でも暦上の「立冬」はとうに過ぎていますが、台湾ではまだまだ半袖短パンの学生たちの姿が多く見られます。キャンパス内には新入生たちの初々しさと相まって活気が満ち溢れています。

在校生だけではなく、新入生たちにもGJOオフィスのことが知れ渡り始めたのか、徐々に新しい学生もオフィスに顔を見せるようになってきました。来室理由は「東京外国語大学への留学について知りたい」や「日本文化を知りたい」など様々ですが、みな一様に日本語を話す機会を求めているという印象を受けました。そのような中、12月下旬には東京外国語大学の学生たちが教育実習生として、淡江大学にやってきます。GJOオフィスでは日本と台湾の学生たちの架け橋となれるよう、様々な試みや運営をしていければと考えています。

また、次月には淡江大学にGJOが開設されて以後初めての試みとして、日本で開かれる講演会の台湾への中継が行われます。これは12月2日(水曜日)に東京外国語大学と淡江大学を結び、東京外国語大学で行われる谷川道子氏の講演会を遠隔システムを用いて同時中継するという試みです。そこで、今月末にはそのための事前準備として接続テストを行いました。当日使用予定の遠隔システムを用いてのテストでしたが、終始滞りなく行うことができました。

すでにGJOオフィスにも講演会についての問い合わせが多数寄せられています。谷川氏の講演当日も順調に中継が行え、台湾の参加者にとっても実りある講演会となることを期待しています。

講演者:谷川 道子氏(東京外国語大学名誉教授)
タイトル:『演劇という文化』
開催日時:12月2日(水曜日)
台湾時間15:30~17:00 日本時間16:30~18:00(開場は同時刻より30分前)

6月 活動日誌

2015年6月30日
台湾オフィスコーディネーター 山下 文

台湾では9月から新年度が始まります。淡江大学でも6月末から夏休みに入りました。少し前まではアカデミックドレスを着て卒業写真を撮る卒業生や、図書館で勉強にはげむ在校生の姿が多く見られましたが、今ではキャンパス内は人影もまばらで、ひっそりとしています。その代わりに、たくさんの蝉が暑さに負けずに鳴いています。

淡江大学日本語文学系では、毎年九月に多くの新3年生を交換留学生として送り出します。学生たちは、東京・千葉・京都など日本各地の大学で一年間日本語を学びます。淡江大学GJOオフィスでは6月3日(水曜日)に、そのような学生を対象とした留学説明会を行いました。東京外国語大学の遠隔講義室と淡江大学GJOオフィスをインターネット用いて結び、淡江大学の学生の質問に東京外国語大学の学生が直接答えるというものです。当初は、淡江大学側の参加者が少ないのではないかと心配していたのですが、始まってみると13人もの学生が集まってくれました。

まず、最初に日本側の学生から東京外国語大学の紹介がありました。現在、東京外国語大学を留学先として選ぶ淡江大学の学生は、まだ多くありません。今後は、留学先として多くの学生に意識してもらいたい思っています。続けて、東京外国語大学に在学中の台湾人留学生から、日本での生活についていろいろな説明をしてもらいました。留学を目前に控え、日本での生活に不安があるからでしょうか、台湾側の学生が真剣に耳を傾ける様子がとても印象的でした。台湾側の学生たちが日本側の学生に自由に質問をするコーナーでは、はじめは緊張のためか中々質問が出ませんでした。ですが、一人の質問をきっかけに、授業の単位計算について・サークル活動について・台湾から日本への送金について・スマートフォンの契約についてなど、様々な質問が出ました。その他、淡江大学への教育実習を予定している学生から「どのような日本文化に興味がありますか?」といった質問もあり、日本留学が迫ってきている学生にとっては、自分の日本語がどれほど通用するのかを確認するよい機会になったようです。

終了後の学生のアンケートには「気になっていたことを聞けてよかった」「日本語がだいたい通じてうれしかった」「みんな親切だと思った」などとあって、台湾側の学生は皆、有意義な時間を過ごせたようです。

今学期(中華民国103学年)の淡江大学GJOオフィスが行う活動はこれで最後になります。9月には淡江大学日本語文学系は250人ほどの新入生を迎えます。また、12月には東京外国語大学の学生が教育実習に訪れる予定です。今後も、日台の学生を結ぶ中継点として様々な活動を企画・実行していきたいと思っています。

遠隔中継による留学生活相談会の様子

5月 活動日誌

2015年5月31日
台湾オフィスコーディネーター 山下 文

台湾はまもなく夏本番を迎えます。台湾の夏はとても長く、6月から9月まで4ヶ月間も夏の盛りが続きます。淡江大学のキャンパス内には、半袖・短パンにサンダルという涼しげな服装の学生が多く見られるようになりました。淡江大学オフィスの運用開始から2ヶ月が経ち、「遊びに来たよ」とオフィスの扉を敲く学生も増えてきています。

5月27日(水)、「花札で遊ぼう」と題した文化活動を行いました。台湾では日本のアニメやドラマが多く放送されていて、そこから日本のしきたりや文化に興味を持つ学生が多くいます。そんな学生たちにオフィスを積極的に活用してもらおうとこの活動を企画しました。花札には日本の伝統的な四季感覚が反映されており、日本の文化や日本人の感性を紹介するのにもってこいです。花札の歴史や絵柄について簡単に説明をした後、台湾人学生に日本人留学生を交えて、「こいこい」「花合わせ」という花札のゲームを行いました。参加者には2年生もいたのですが、ゲームを通した文化活動ということで、あまり緊張することなく日本語を用いることができたようです。参加者からは「これからも続けてほしい」「日本のいろいろな事をもっと知りたい」「花札で実際に遊べて、楽しかった」という声が聞かれました。また、参加できなかった学生からも「次の活動はあるのか」「別の曜日にもやってほしい」という声が寄せられています。

花札を体験

6月3日(水)には日台を繋いで行う中継留学相談会が予定されています。すでに、「日本人学生と話ができるって、本当?」などと、興味を持つ学生が多く現れており、GJOの活動が確実に淡江大学に浸透しつつあることがうかがわれます。

淡江大学留学説明会
開催日時:6月3日 台湾時間12:00〜13:00、日本時間13:00〜14:00
参加人数:台湾側15名 日本側7名
目的:台湾淡江大学2年生学生に対する、本学の留学説明会の開催および日本生活の相談。また、12月インターンする予定の学生に淡江大学学生の日本語観察。

留学説明会の様子

活動日誌

2015年5月10日
台湾オフィスコーディネーター 山下 文

淡江大学Global Japan Officeの運用を開始しました。

淡江大学日本語学科は台湾で最も規模が大きく、台湾の中でも日本語・日本文化に興味を持つ学生が特に多く集まっています。

オフィスは淡江大学淡水キャンパスにある、文学館六階に位置しています。毎週、決まった時間に日本人のコーディネーターが対応しています。室内には大型モニターとノートパソコン3台が備え付けられており、日台双方の学生がskype等を利用して、広く意見交換をすることができます。現在は台湾側の学生が気軽に日本語を話せる場所として、提供されていますが、今後は、東京外国語大学側から日本文化・日本語教育に関する情報を積極的に提供していく予定です。5・6月には日本への留学を控えた淡江大学側の学生を対象にして、日台中継留学相談会の開催したいと考えています。

こちらで日本語を学ぶ学生たちは、口をそろえて「日本語を話す機会が少ない」「日本人と友達になりたい」と言います。この淡江大学オフィスは日本語教育を志す日本人学生と日本語習得を目指す台湾人学生を結びつける中継点になります。日台どちらの学生にとっても重要な場所になるよう運用してゆきたい思っています。

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