2016年度 活動日誌

3月 活動日誌

2017年3月
GJOコーディネーター 小澤 咲

サラマンカも3月になり、月末からは、ついに、サマータイムの時期が始まりました。

3月になって少しすると、半袖でも出歩ける気候が訪れるようになりました。しかし、雪が降ったり、半袖の気候になったり、かと思えばまた雪と、今年はすこし気候が不安定なようです。

今月も引き続き、東京外国語大学から寄贈いただいた図書の識別作業を行い、また、初旬には、東京外国語大学から、3名の先生方をお迎えすることができました。

3月1日には、留学生日本語教育センターの藤村先生と、アジア・アフリカ研究所の芝野先生をお迎えし、文献学部東アジア学士課程日本語専攻の学生1・2年生を対象に、E-Learning教材「JP-Lang」の説明会を行っていただきました。学生たちも多く参加し、JP-Langを実際に使った活動にも積極的に取り組んでいました。新しい教材に触れる機会であったとともに、聞きなれた先生の日本語とは異なる日本語に触れる貴重な機会ともなったと思います。また、翌日には教員での懇談会を行いました。

5日からは、萩尾先生が、協定の調印のためにサラマンカに見え、念願であったサラマンカ大学と東京外国語大学の交流協定が再締結される運びとなりました。交流協定の再締結ということで、これからはサラマンカ大学から東京外国語大学にも交換留学生を派遣することができるようになり、とても楽しみに思っています。これからの留学相談業務では、東京外国語大学も紹介できることがとても嬉しいです。

6日には、サラマンカ大学日西文化センターでの日本週間開会式も開催されましたが、大使も参加しての開会式となり、立ち見の人も出るほどの盛況ぶりでした。日本週間の開催と重なったため、日西文化センターの見学等に加え、こうした式にもご参加いただけたことがよかったと思います。また、GJOの置かれている献学部東アジア学士課程日本語専攻の教員であるファレロ先生の表彰式も行われ、そちらにもご参加いただきました。

今月も、留学相談があり、最近は、継続相談も出始めました。単発で一度来るだけではなく、リピートして頼ってもらえるような存在として、これからもサポートしていきたいです。

また、来年度からのカリキュラムの作成についても、引き続き行っています。

文献学部らしさの確立と、学生のレベルをいかに上げていくかという2本の柱を中心に、教員同士、教科書にかじりつきながら悩んでいますが、東京外国語大学の藤村先生より頂戴した、東京外国語大学出版の教科書もみて、国際交流基金マドリード日本文化センターの近藤先生のアドバイスも頂戴しながら、具体的になってまいりました。

また、今月は日西文化センターにおける日本人留学生向けの調理実習イベントにも参加し、日本からの春休みを利用した短期滞在の留学生たちとも交流し、留学についての話を聞いたり、彼らのスペイン語学習の様子なども垣間見ることができました。スペイン人学生ばかりではなく、日本人留学生の実情に触れる機会になったと考えています。

今後は、文献学部での日本文化週間も控えているため、その模様もお伝えできればと思います。

「JP-Lang」説明会の模様。みんな一生懸命聞いています。
萩尾先生にもご参加いただいた、ファレロ先生表彰式の模様。
同じく、萩尾先生にもご参加いただいた、日西文化センターにおける日本文化週間開会式の模様。俳句についての概論ののち、スペイン人が書いた俳句について議論し、優秀者には、表彰を行いました。
日西文化センター主催イベントの模様。隣町のホスピタリティ専門学校において、専門学生さん方と一緒に、パエージャ・デ・マリスコ(海鮮パエリヤ)、アロス・ネグロ(イカ墨リゾット)、リゾット・デ・セタス(キノコリゾット)、そしてデザートのレチェ・フリタ(牛乳プリン揚げのようなもの)の4品を作りました。

2月 活動日誌

2017年2月
GJOサラマンカコーディネーター 小澤 咲

サラマンカも2月になり、新しい学期が始まりました。

2月第1週までは、前期の期末試験とその週のうちに成績の締めきり、そして次の月曜からはもう新学期と、学内では慌ただしく学生や教員が行き交っています。

今年度は、昨年度とは異なり後期からの新規アシスタントは来なかったので、前期からのアシスタントと引き続き協力しながら教務を行っています。前期から引き続き同様のアシスタント業務をしていただいているので、引継ぎもスムーズで、助かりました。

また今月は、先月からの各所へのアピールの成果が出たようで、日本への留学等に関する相談件数が先月に比べて倍増しました。

日本専攻や、日本語を受講している学生からのみならず、日本専攻外からも問い合わせを受けるなど、順調な相談業務ができました。

その内容は、交換留学の応募に関するもの、交換留学が内定した学生からの渡航後についての問い合わせ、また、夏季ショートプログラムに関するもの、そして大学院に関するものまで、多様な相談を受けることができました。

これからも、さらにサラマンカ大学国際部との連携をしながら、学生たちの留学支援に尽力できればと考えています。

来月にはサラマンカ大学と東京外国語大学の協定が再締結されるための調印が行われる予定ですので、東京外国語大学の積極的なアピールも始めました。再締結に伴って、来月には東京外国語大学から萩尾教授が見えることも、とても楽しみにしております。

また、GJOと協力して、3月1日にはサラマンカ大学において、本学日本専攻の学生1,2年生を対象に東京外国語大学E-Learning教材JP-Langの説明会というイベントも開催するため、その事前準備も並行して行いました。

新しい勉強方法を知る機会をいただいて、わたくしどもも今からとても楽しみにしています。また、来月には日本文化週間が控えているため、それに向けてのスペイン人学生の支援や、こちらでの日本スペイン交流のための学生たちとの会議等も並行して行いました。

これらの業務に加え今月も、寄贈いただいた図書の分類・識別作業を引き続き行いました。図書館のスタッフのみなさんは日本語が読めないため、一冊一冊に対して、その詳細な情報をローマ字に変換し、必要に応じてそれを訳したうえで、それを印刷して図書に挟んで、提出しなければなりません。

大変な数の図書を頂戴したため、時間がかかっていることに加え、現在、図書館内では他にもアラビア語での寄贈図書の処理がたまっているようで、長丁場の作業となりそうな見通しです。

来月は、東京外国語大学の先生方によるE-Learning教材JP-Langの説明会の模様等も、お伝えいたします。

日本専攻のあるPlaza de Anayaから少し奥に入ったところにあった、アーモンドの花。桜に似ていて、日本の春を思わせます。
Plaza de Anayaにある、Palacioという建物に巣を作っているコウノトリ。最近は、温暖化の影響か、冬になってもアフリカに帰らないそうです。
大学の正面。ずっと工事中で修復作業をしていたのですが、最近、やっと工事が終わったようで、足場がとれ、その雄大なすがたがあらわになりました。

1月 活動日誌

2017年1月
GJOサラマンカコーディネーター 小澤 咲

明けましておめでとうございます!¡Feliz Año Nuevo!

サラマンカも、新年を迎えました。1月に入って少し経つと、街中ではクリスマス飾りの撤去が始まりました。綺麗だったイルミネーションも、もう終わりです。

サラマンカ大学では、1月9日より新年の業務が開始となりましたが、学生たちは、1月いっぱいはテスト期間です。

学生たちは、寒い中、テストを受けるために学校に来たり、テスト勉強やレポートに追われて忙しく過ごします。

今月は、テスト期間で授業がないため、学期中には日程上難しいマドリードでの出張業務や、研究室の片付け、GJO業務のための資料の整理、昨年末受入れが完了した図書の分類や識別作業などに追われました。

マドリードでは、国際交流基金及びCASA ASIAにおいて、授業見学や会議を中心とし、サラマンカでの大学教育に生かせる教材の活用方法や、クラスのコントロール、また、基金が開発した教材などについても学ぶと同時に、来年度以降のカリキュラムや授業の進め方について会議を行いました。

サラマンカ大学文献学部東アジア学士課程はまだ設立して間もなく、在籍中の学生にはまだ1,2年生しかいません。そのため、国際交流基金、そしてCASA ASIAにおいて、その上のレベルの授業を見学することによって、学習が進んだときのモデルとして検討する材料になったと考えています。

また、研究室にはGJO業務に用いる資料、例えば留学ガイドや各大学や教育機関のパンフレットなどが準備されていますが、古くなった資料や、研究室が中国語と共同だったころの中国語資料などを整理しました。GJOでは、学生たちの日本語学習、そして日本への留学支援を大きな柱として考えているため、日本留学のための資料や、日本での就活のための資料を分類し、インデックス整理することで、日本語/英語・スペイン語での言語別に、見たい資料に素早くアクセスできるように工夫しました。また、資料の更新及び充実のため、新しい資料の収集にも着手しました。留学支援活動の柱として、こうした資料を整備・活用し、相談や情報収集のホットスポットとして機能していくよう、これからも努めていく所存です。

今回の整理では、GJO業務の棚に、日本語オンライン教材のカードなどで装飾を施し、親しみやすさを演出しました。

また、ビラや配布用パンフレットなどは、TAKE FREE「ごじゆうに」コーナーを設けたことで、学生たちにとって手にとりやすい状況にしたつもりですが、季節などによって彩を加えるなどこれからも折々工夫しながら、何度も見に来たくなるような棚にしたいと思っています。

しかしながら、GJOの棚は教員の研究室の中にあることから、学生にとって、気楽にアクセスしやすい環境であるとは言いにくいのが実情です。そのため、留学の資料などが研究室で見られるということ、そして、遠慮せずに自由に見ることができるということを、2月の新学期のチャンスに、もっと学生たちにアピールしていこうと考えています。また、これから訪れる文化週間に備えて、日本との文化交流の契機をつくろうと、着々とアイデアを練っています。この機会に、GJOの存在を広めるとともに、学生たちの日本への関心をますます高めていきたいと考えています。

マドリードにおいて、イベントのためマヨール広場へ向かう馬たち
研究室のGJOの棚
インデックス。もちろん、東京外大もあります!

12月 活動日誌

2016年12月
GJOサラマンカコーディネーター 小澤 咲

街中がクリスマスムードに包まれる12月、街の人々や学生たちも、クリスマス休暇に向けて、どことなくあわただしく、浮足立っているように感じれられます。サラマンカ大学GJOへの着任から早4か月が経ったそんな今月、本学での前期授業期間が終了しました。本学の学生たちは、1月末の前期試験期間に向けて、クリスマス休暇と1月前半を勉強しながら過ごします。

そんな今月は、今学期のテストの作成や学生との調整、来年度に向けたカリキュラムの作成といった、教務に関する業務が中心になりました。

2015年に設立したばかりのサラマンカ大学の文献学部東アジア専攻には、現在、1年生と2年生のみが在籍していますが、来年度には、現2年生が3年生に進級するため、3年次用の新しいカリキュラムが必要になります。そのため今月は、来年度に向けてのカリキュラム作りを始めました。文献学部であるという特性をいかに生かし、いかにして読解能力を鍛えるのか、どんな教材を使うのか、学生たちはどのようなモチベーションで文献学部日本専攻に入ったのか、教員同士で話し合った内容をもとに、学生へのアンケートを作成しました。日本語で読みたい内容を細分化したリストを作成し、そこで得られた学生たちの希望と照らし合わせながら、本学文献学部ならではの学生のためのオーダーメイドのカリキュラムを作りたいと考えています。

また、来年の教師会総会等の業務に向けての調整も開始しました。

まだ、赴任して数か月であることから、これからスペインにおける日本語教育についての情報を共有し、ご指導ご叱咤いただける先生方とお会いできる機会であり、またサラマンカ以外の生の教育事情に触れる貴重な機会であるため、今からとても楽しみにしています。

そこで得られた人脈や情報を、これからのGJOでどのように活用できるのか、とても楽しみにしています。

クリスマスの巨大オーナメントが出現したマヨール広場

11月 活動日誌

2016年11月
GJOサラマンカコーディネーター 小澤 咲

11月に入ると、空気もぐっと乾燥し、日照時間もどんどん短くなってきました。本格的な冬のコートの出番も増え始め、月末にはクリスマスの飾り付けもあちらこちらで始まり、季節の移ろいを感じさせます。

今月は主に、日西文化センター主催のイベントに協力したり、東京外国語大学からサラマンカ各機関への図書の受け入れが完了したりといった流れがありました。

11日には、日西文化センター主催の文化交流イベントにおいて、日西センターやサラマンカ大学をはじめとする様々な機関で日本語を勉強したり、日本に興味を持っている14~30歳の若者の学生向けに、書道、折り紙、マンガの紹介および体験を行いました。

マンガ紹介には、実際にマンガを描いている方にゲストとしてお越しいただき、また、書道や折り紙は日本からの留学生や日本語教師が指導しました。深夜にも関わらず時間いっぱいまで盛り上がり、参加者一同楽しい時間を過ごすことができました。

未成年者も多く参加した会であったことから写真を公開できないのが残念ですが、このように盛り上がりを見せたイベントを通して、サラマンカでの日本文化に対する需要の高さを改めて実感するとともに、私個人にとっても、楽しい思い出となりました。

なかでも、さまざまな色合いの折り紙や千代紙を組み合わせて作る折り紙の飾り箱は人気で、一枚で作るばかりではない折り紙のバリエーションを知り、それが自分にも作れたという思い出が、これからの日本文化へのさらなる興味の引き金にもなったようです。

昨年度から調整が続いていた東京外国語大学からサラマンカへの図書の寄贈についても、東京外国語大学国際化拠点室の協力により、今月25日までにサラマンカ各機関に図書が到着し、無事に受入れを完了することができました。

たくさんの本を寄贈していただいたことはもとより、寄贈において手厚くサポートしてくださったこと、大変感謝しております。

今回の図書の寄贈により、サラマンカにいながらアクセスできる日本関係の図書が増えたことをサラマンカの各機関の職員一同、とても喜んでいます。これらの図書が、上記イベントに来場したような若者たちをはじめ、日本に興味を持つサラマンカの人々にとって有益な情報源として、これから活躍することと思います。

また、11月を通して、日西センターにおいて開催された日本語教員向けのセミナーにも複数回参加させていただきました。センターの教員の皆様とご挨拶をさせていただいたり、お話をさせていただいたりする中で、サラマンカにおける日本語学習事情など、情報を集める足掛かりをつかむこともできました。留学支援業務においては、変動する学生の動向を知ることも重要であるため、これからもお話を聞かせていただき、業務の参考としてどんどん生かしていきたいと考えています。

10月 活動日誌

2016年10月
GJOサラマンカコーディネーター 小澤 咲

新学期が始まってから1か月以上が過ぎ、学生たちの勉強もいよいよ軌道に乗ってきました。

10月のサラマンカでは、ハロウィンや死者の日などを目前にし、ハロウィンの衣装に身を包んだ人々や、ハロウィン仕様に飾り付けを施した店などが目立ちました。また、大陸性気候の冬の厳しさを予感させる気候が続き、サマータイムも10月末で終了したため、いよいよ本格的な冬に向かっているのだと感じます。

着任から1か月が過ぎた今月は、前任のコーディネーターより引き続き、東京外国語大学からサラマンカ大学日西文化センターおよび文献学部への図書寄贈についての諸々の連絡を行いました。

現在、スペインへの荷物の送付について税関が大変厳しくなっているため、前任のコーディネーターの担当時より調整が続いておりましたが、日西センターおよび文献学部の先生方と調整し、いよいよ東京外国語大学より図書を寄贈していただく準備が整いました。

それに伴い日西センターへ寄贈予定だった本の一部をGJOへ寄贈いただく運びとなり、それらの本をより学生の身近に置くことができるため、学生の支援等これからのGJO業務にも役立てられるのではないかと期待しています。受け入れ完了まで、これからも東京外国語大学と密に連携を取りながら、進めていきたいと考えています。

また今月は、日本留学に興味を持つ学生からの問い合わせもありました。奨学金についての問い合わせや、協定校の中でどの大学に応募すべきかといった相談が主ですが、なかでも奨学金については必ず言及されるため、金銭面での不安をもつ学生が多い傾向が見受けられます。相談には、日本専攻の学生も訪れますが、日本専攻ではない学生が留学相談に来てくれることもあり、とても嬉しく思います。そこで、これから奨学金についての情報も集めながら、ますますGJOの存在を広く知ってもらい、支援していく体制を整えていきたいと考えています。

9月 活動日誌

2016年9月
GJOサラマンカコーディネーター 小澤 咲

9月も後半に差し掛かると、サラマンカでは夏があっけないほどに急に去り、真夏日の文字通り翌日から、街中では、ダッフルコートやダウンジャケットを着た人々が目立つようになりました。

今学期より、GJOサラマンカは、2年目のスタートを切りました。昨年設置されたGJOの看板は、文献学部日本語専攻の教員の共同研究室のドアに掲げられており、ほかの先生方のご厚意でおかせていただいている看板に恥じないよう、背筋が伸びる思いです。

2015年新設の学部に入学した1年生たちも2年生になり、去年と比較すると学生数が倍増する計算になります。また、韓国語、中国語専攻の学生たちも、2年生になる今年よりダブルメジャーとして、他の言語を選択します。もちろん日本語を選択する学生も多いため、日本についての情報に対する需要が、ますます高まることを期待しています。

新学期のはじめの時期にあって、現在は、知り合った数名の日本からの留学生などに名刺を配って活動を説明したり、日本から来ているアシスタントの学生から、留学生の事情などを聴いて情報を集めるなど、これからの活動の糧になるような人脈構築や、GJOの周知と活動の方針について考える糧を得るように工夫しています。また、日本に交換留学を考えている学生から、留学のための試験準備について相談され、試験対策などについてできることをお伝えしました。

これからの一年では、前任の守屋さんの築いてきた学生支援の路線を引き継ぎながら、新設の学部の学生たちも含め、これまで思うように日本の情報を得られなかった学生たちにとって、留学相談や日本のことについて知るチャンスを増やす役割を果たしていければと思っています。

6月 活動日誌

2016年6月
コーディネーター 守屋 久美子

6月のサラマンカは日差しも十分強くなり、サングラス無しには眩しくて街を歩くのも難しくなります。サラマンカ大学の学生は試験が終わるとふるさとに帰るため、6月末のサラマンカには、世界のいろいろなところから集まった観光客ばかりとなり、まもなく夏休みになるのだなあと実感します。

筆者はこの6月でGJOサラマンカのコーディネーターを離任し、日本に帰国します。そのため、6月は主に後任者への引き継ぎ準備を行いました。サラマンカ大学日本語コースが開設して最初の一年の教務内容とGJOで行ったことおよび今後の課題をまとめ、後任者がスムーズに業務を開始できるようにしました。特に今年度行うことができなかった日本文化の紹介イベントに来年度以降着手することが出来るように、サラマンカ大学の各方面と協力して行う準備について引き継ぎを行いたいと思っています。9月から新年度がはじまり、サラマンカ大学文献学部の日本語専攻にも新しい一年生が入りますが、専攻の学生たちだけでなく、サラマンカに住む人々が日本により興味をもち、日本語を勉強したい、日本に行ってみたいと思えるようなイベントが行えればいいなと思っています。

この10ヶ月間、長いようで短い時間のなかでどれだけのことがサラマンカ大学とGJOのために達成できたかわかりませんが、筆者自身は多くのことを学び、充実した一年であったと感じています。今後の筆者自身の人生の中でサラマンカでの10ヶ月は大きな意味を持つだろうと確信しています。

サラマンカの街を走る清掃車(ゴミを吸って走ります。)
観光客で賑わう、マヨール広場のアイスクリーム屋さん

5月 活動日誌

2016年5月
コーディネーター 守屋 久美子

5月のサラマンカは徐々に暖かくなり、日差しも強くなってきました。街で見かける観光客の人々の服装も薄着になり、どことなくウキウキとした雰囲気が感じられます。試験期間ということもあり学生は忙しそうにしていますが、それでも日差しの中で楽しく話している様子を見ると、こちらまで楽しくなってきます。それと同時に、もうすぐここでの生活と別れを告げるのかと思うと、さびしい気持ちになります。

5月は主に日本留学生活ガイドの作成と後任者への引き継ぎ資料の作成を行いました。

4月に引き続き作成した日本留学生活ガイドは、修正や補足を経て大まかに完成させることができました。しかし、内容の正確性や他の国の留学希望者に対して有効であるか否かが不明であるため、ここからさらなる修正が必要となります。そのため、他のGJO担当者等にも見ていただき、有効な日本留学生活ガイドができるようにしたいと考えています。

筆者は7月上旬にサラマンカ大学を離職するため、後任者への引き継ぎ資料の作成にも着手しました。GJOのスタッフとしてこれまで行った業務内容だけでなく、ここの学習者の特徴や傾向、授業での注意点、さらには生活での注意点などの情報についてもまとめ、後任者がよりスムーズにここでの教務およびGJOの業務につけるようにする予定です。GJOサラマンカ1年目のスタッフとして見て聞き、感じたことを残すことで、今後のGJOサラマンカが大きな成果を残せるのではないかと期待します。

6月も引き継ぎ作業を中心に行うこととなりますが、後任者がどのような点を不安に感じるかを考えながら、どのような作業を行っていけばよいかわかるような資料を作成したいと考えています。また、4月、5月に引き続き、東京外国語大学からの図書寄贈についてもスムーズに受け入れられるようにコミュニケーションを図っていきたいと考えています。

サラマンカのマヨール広場で行われていた、いろいろな書店の販売とジャズのコンサート
文献学部の建物の前で行われていた、ピアノ・コンサート。この前後数日間で、いろいろなところでピアノ・コンサートが行われていたようです。

4月 活動日誌

2016年4月
コーディネーター 守屋 久美子

4月になり、サラマンカにも春がやってきました。サマータイムが導入されていることもあり、現在日の入りが21時半ごろとなり、22時ごろにようやく暗くなっています。なかなか暗くならないため、授業が21時に終了しても夜がきたという感覚がつかみにくくなっています。しかし、これまではこちらの夕食時間が21時過ぎだということを不思議だと思っていましたが、それに納得できたような気がします。

4月は主に、引き続き日本留学生活ガイドの作成と東京外国語大学からの図書寄贈に関する連絡を行いました。

日本留学生活ガイドは、これまで日本に留学するスペイン人学生を念頭において作成してきましたが、他のGJOでも活用できるのではないかと考え、よりわかりやすくなるように修正を加えることにしました。これまで作成した内容の不足点を見直し、Wi-Fiや携帯電話の手続き、保険など新たに項目を増加しました。当初、4月中の完成を目指していましたが、さらなる補足が必要なことがわかりました。5月は試験間際ということもあり、6月をめどに完成できるようにしたいと思います。

また、東京外国語大学からサラマンカ大学日西文化センターおよび文献学部への図書寄贈について諸々の連絡を行いました。東京外国語大学の諸先生方からのご厚意で、文学書や研究書、日本語のマンガなど多岐にわたる図書を多くご寄贈いただけることになりました。そのため、受け入れ側である日西文化センターと文献学部に連絡をとり、寄贈受け入れの準備を行いました。現在、スペインは税関が厳しくなっており、送り返されてしまう可能性を減らすため、まずは税関側に確認を行ってから受け入れを行うことになりました。スペインの学生たちにとって日本語でマンガや文学作品、スペインの文化に関する著述を読むことは、日本語の勉強だけでなく視野を広げる上で大いに役立つと考えられます。できるだけ早く受け入れが完了できるよう、今後も準備を進めていきたいと考えています。

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