2017年度 活動日誌

2月 活動日誌

2018年2月28日
GJOコーディネーター 木林 理恵

ブラジルにはカーニバルの休暇があります。これは移動祝日で、今年は2月中旬だったため、今月半ばには大きな休みがありました。そのせいもあって、今月は月初めと月終わりに活動が集中しました。

月初めは、提携校への留学推薦者を選ぶ試験がありました。日本語科の学生は、東京外国語大学と金沢大学の2校のプログラムに対して、7名を推薦することになりました。多くの学生が日本で勉強できるよう、願っています。

月の終わり、26日(月)には「日本語とポルトガル語で話そう:Café Linguístico第5回」を開きました。今回は、金沢大学の先生からいただいた「金沢弁かるた」で遊んでみました。金沢弁なんてわからない日本人ばかりでしたが、ブラジル人学生と一緒にどんな意味かを考えながら、みんなで楽しく遊ぶことができました。

私は今月でリオを離れることになりました。最後に、州立大学の建物を紹介したいと思います。外国の大学と聞いてみなさんはどんな姿を想像するでしょうか。州立大学は、オリンピック・パラリンピックの閉開会式が行われたマラカナン・スタジアムの隣にある近代的な大きなビルです。階段だけでなくスロープがあり、それが近未来的な雰囲気をかもし出しています。また、階段や棟を結ぶ通路は開放的な空間になっていて、リオは暖かい地域なのだなあと感じました。緑が多いせいか、小猿や鷺といった動物に遭遇することも多かったです。

(写真1)斜めの部分は棟を上下につなぐスロープです。
(写真2)手前に野外劇場があります。
(写真3)上の階からマラカナン・スタジアムを見ることができます。

リオ・デ・ジャネイロGJOの重要な活動のひとつである、中等教育での課外日本語コースは、今年も3月から国立技術教育センター(CEFET)で始めることになりました。今年も充実したものになるよう、祈っています。

1月 活動日誌

2018年2月4日
GJOコーディネーター 木林 理恵

州立大学の学部は10月からストライキに入り授業が止まっていましたが、1月から再開しました。年末年始とカーニバル前のゆったりしたムードは終わり、大学は活気にあふれています。

22日(月)、日本への留学プログラムに関する説明会を行いました。州立大学は、東京外国語大学、及び、金沢大学と交換留学の提携があります。日本語があまりできなくても参加できるコースから日本語ができないと難しいコースまで、様々なプログラムがあるので、日本語科の学生だけでなく、他の学科の学生も多く聞きに来ていました。

さて、説明会の後は楽しい新年会です。「日本語とポルトガル語で話そう:Café Linguístico第4回」では、みんなで福笑いをしたり、都道府県ビンゴをしたりして遊びました。福笑いではみんな指示が上手で、意地悪するような人はいなかったらしく、変な顔はありませんでした。正直者のみなさんには悪いけど、ちょっと残念ですね。

写真:一番おもしろかった顔です。机が傾いていたので、頬と口が下がってしまったのだそうです。
写真:トークカフェの様子

12月 活動日誌

2017年12月
GJOコーディネーター 木林 理恵

12月、リオはすっかりクリスマスムードです。

5月から続いた公開リレー講座「日本文化発見」は、7日(木)、無事に最後の講義を迎えました。最後を飾ったのは在リオ・デ・ジャネイロ総領事館の星野芳隆総領事による「ブラジルと日本-外交的側面からの比較」という講演で、大学内だけでなく外部からも様々な方が聞きに来ていました。北朝鮮をめぐる東アジア情勢はブラジルでもニュースになっており、講義後は国際関係専攻の学生から熱い質問が飛んでいました。

公開リレー講義の様子
リレー講義ポスター

今年は、州立大学、及びGJOに様々な訪問者がありました。3月に阿部新先生(東京外国語大学)が調査でいらしたのを始め、6月の国際学会に武田千香先生(東京外国語大学)と杉山欣也先生(金沢大学)、7月に宇佐美まゆみ先生(国立国語研究所)、12月に松田真希子先生(金沢大学)、白石佳和先生(サンパウロ大学)、野山広先生(国立国語研究所)、カルダー淑子先生(アメリカ・プリンストン日本語学校)がいらっしゃいました。滞在目的は人によって違いましたが、どなたに対しても無事にリオで過ごすお手伝いができ、また、学術交流を深めることができて良かったと思います。2018年も、豊かな活動が行えるように願っています。

11月 活動日誌

2017年11月
GJOコーディネーター 木林 理恵

国立技術教育センター(CEFET)の授業は、一年のコースを無事に終え、午前と午後あわせて19名の生徒に修了証を渡すことができました。

一年間みんなでがんばりました(午後クラス)

最後の日にはまた、短いスピーチや、グループでのスキット上演をしてもらいました。午前はゲストも多く、総領事館から星野芳隆総領事や竹屋副領事、CEFET学長Carlos Henrique Figueiredo Alves氏、当コースの担当責任者Angela Lopes Norte氏がクラスを訪問してくださいました。東京外国語大学の武田千香先生にも見ていただけて良かったです。

留学生に手伝ってもらって、スピーチ&スキット上演の練習中(午前クラス)

このコースを通して感じたことが2つあります。

ひとつは、外国語を楽しむことを中心にした語学クラスがあってもいい、ということです。CEFETのコースでは、日本語が上手になった生徒もいましたが、一方で、ひらがなを覚えられず、苦戦している生徒もいました。でも、授業には出席しています。何か理由があるから、あるいは何かに惹きつけられているからでしょう。そんな生徒たちを見て、文法や単語をなかなか覚えられなくても、日本語を使って楽しめばいいんじゃないだろうか、と思うようになりました。

それから、たいていの授業ではクラスに教師がひとりしかいませんが、教える側の人が複数いてもいいと思います。この授業は州立大学日本語科の学生をはじめ、日本からの留学生、日本人ボランティアに参加してもらいながら運営しました。そうすると、教師がひとりという状態は不思議なものに感じられます。特に言葉は生きているものなので、今後、ひとりで教えるのが不安になりそうです。

大学では、9日(木)に、今月の公開リレー講義として、在リオ・デ・ジャネイロ総領事館の近藤健首席領事による「日本の音楽」という講演がありました。日本の音楽の特徴、そして古典から現代まで幅広い話題のお話で、たくさん動画を見せていただき、楽しく大盛況の会になりました。

また、11月第3週目に、希望者に対して、N1からN5まで全レベルの模擬試験を行いました。学生たちには、問題ができたかできなかったかよりは、時間配分に気を付けてもらいました。初めて受験する人も多かったので、参考になる体験だったようです。12月に受験するみなさんの良い結果を期待しています。

10月 活動日誌

2017年10月
GJOコーディネーター 木林 理恵

今月は、中等教育での日本語に関する話題を2つ、大学でのイベント2つについて書きたいと思います。

まず、国立技術教育センター(CEFET)の授業では、10月から6回の予定で、日本人留学生による日本文化紹介を行うことになりました。テーマは生徒たちから募集し、ポルトガル語で「日本語のスラング」「日本の音楽」等について話してもらっています。毎週火曜日に行っていますが、生徒たちは楽しみにしているのか、金曜日の授業で「今日は講義がないの?」と聞かれたこともあります。

写真(cefet1):テーマは「日本の学校教育」。みんなで「起立・礼・着席」をやってみました。

また、26日(木)から新たな日本語クラスを始めました。州立大学付属校(CAp UERJ)には、来年4月から東京外国語大学に入学する生徒たちが3人いるのですが、彼らはまだ日本語がほとんどわかりません。CAp UERJの先生と相談し、3人とも事前に日本語を勉強することになりました。授業を担当するのは、去年CAp UERJでの日本語コースを担当していたアナ・セシリアさんです。日本に行く生徒たちなので、ひらがな・カタカナからじっくりと教えています。

大学でのイベントですが、今月の公開リレー講義は、在リオ・デ・ジャネイロ総領事館 小澤健領事による「日本の地域警察」という講演でした。

聴衆の雰囲気が今までとは異なり、警察関係者が多く来ていました。小澤領事はクイズを交えながら上手に話を進めてくださり、また、テーマがブラジルの場合と比較しやすかった、聴衆からの質問もたくさん出て、活発な講演会になりました。

さて、今月の一番大きなイベントは、なんといっても「タコ焼きパーティ」でした。ブラジル人学生、日本人ボランティア、教員をあわせて40人を超える人が参加してくれました。州立大学の先生が本格的なレシピで作ったタコ焼きに、学生たちの持ち寄った手作りお菓子が並び、とても賑やかな会になりました。普段はなかなか会えない学生たちにも会えて、嬉しかったです。

写真(takoyaki2):学生が作ったブラジルのチョコレート菓子。とても甘い!

9月 活動日誌

2017年9月
GJOコーディネーター 木林 理恵

今月も、様々な活動を順調に行うことができました。

1. 日本語とポルトガル語で話そう:Café Linguístico第2回

18日(月)、無事に第2回目を開くことができました。今回は、日本人7名、ブラジル人学生14名が参加してくれました。州立大学のイベントに初めて参加した日本人がいたり、7年前に州立大学に留学していた人が夏季旅行中で参加してくれたりして、バラエティ豊かで楽しい会になりました。

2. 公開リレー講義「日本文化発見」『これからの着物』

州立大学では、月一回「日本文化発見」という公開リレー講義を在リオ・デ・ジャネイロ日本国総領事館、東京外国語大学Global Japan Officeとの共催により開催しています。9月は、在リオ・デ・ジャネイロ総領事館 遠藤亜希領事による「これからの着物」という講演でした。ポルトガル語で話してくださったので、スムーズな講演会になりました。

この日、せっかくだから和服で参加しよう、と、日本語科の学生たちに浴衣を着せることになりました。ブラジル人の学生は、日本人と比べて背が高くてスタイルがよく、着付けも勝手が違いました。例えば、お端折り部分をあまり作れません。話には聞いていましたが、実際に体験をしてびっくりしました。日本で見慣れた浴衣姿とは少し違う形になりましたが、みんなで素敵に着ることができ、楽しかったです。

8月 活動日誌

2017年8月
GJOコーディネーター 木林 理恵

8月、ブラジルの学校は新学期を迎えます。国立技術教育センター(CEFET)高等部の日本語コースは8日(火)から、州立大学は21日(月)から新学期が始まりました。

今月は、2つのイベントについて書きたいと思います。

1. 日本語とポルトガル語で話そう:Café Linguístico

新学期が始まる前の14日(月)、州立大学で「日本語とポルトガル語で話そう:Café Linguístico」というイベントを開きました。日本語だけを使う集まりだと、まだ初級の学生はなかなか話すことができません。その一方で、リオには、東京外国語大学からの留学生や駐在員のご家族など、ポルトガル語を勉強している人もたくさんいます。そこで、両言語を使って話す会を企画しました。日本人4名、ブラジル人学生15名が参加し、ゲームをしたり、グループになってみんなで楽しくおしゃべりしたりしました。好評だったので、月に一回くらいは開催したいと思っています。

Café Linguísticoの様子。「失敗したこと」をテーマにしたら、真面目に、深刻な失敗について話してくれた人がいたそうです…。

2. 南米日本語教育シンポジウム2017

25日(金)から27日(日)、サンパウロで開かれた「南米日本語教育シンポジウム2017」に参加してきました。ブラジルをはじめ、アルゼンチン、パラグアイ、ペルー、ボリビアからも参加者が来ていました。日系社会に焦点を当てた内容だったので、日系人の少ないリオで、しかも大学という場にいるとあまり触れる機会がない話を聞くことができました。ブラジルといってもとても広く、リオはブラジルのほんの一部なのだなあと感じました。

7月 活動日誌

2017年7月
GJOコーディネーター 木林 理恵

7月、ブラジルの学校は冬休みです。国立技術教育センター(CEFET)高等部の日本語コースは6月に前期が終わり、州立大学の授業も7月上旬で終わりました。

州立大学では、月一回「日本文化発見」という公開リレー講義を在リオ・デ・ジャネイロ日本国総領事館、東京外国語大学Global Office Japanとの共催により開催しています。

講演者は日本総領事館の方々で、5月は「和食」、6月は「日本留学の機会」というテーマでした(日本語でお話しする場合は通訳が付きます)。7月の話は「日本のゆるキャラ」について。CEFETの生徒たちにも案内を出したところ、友だちも誘って15人ほどの高校生が聞きに来てくれました。生徒たちが日本のことに興味を持って高校以外の場所にも来てくれて、とても嬉しかったです。

新学期、高校生や大学生たちから冬休みの話を聞くのを楽しみにしています。

8月は温泉・お風呂がテーマです。

6月 活動日誌

2017年6月
GJOコーディネーター 木林 理恵

6月は大きなイベントが2つありました。

まず、6月5日(月)から8日(木)にかけて、州立大学では、文学部(西洋古典及び東洋)の国際学会が開かれました。日本語学科は、国際交流基金の助成を受けて、東京外国語大学の武田千香先生、金沢大学の杉山欣也先生をお招きし、ご講演をいただきました。両先生とも、ブラジルと日本に深いかかわりがある内容をお話しくださり、多くの学生、様々な先生方が参加し、とてもよい雰囲気の講演になりました。

この他、日本語のミニ講座や、リオ州での日本語教育に関するラウンドテーブルが開かれたので、毎日、日本語科企画の発表があり、聴講する学生たちにとって充実した学会だったと思います。

13日(火)には、国立技術教育センター(CEFET)高等部の日本語コースで、前期終了の発表会が行われました。生徒たちは、短いスピーチをしたり、グループに分かれてスキットを演じたりして、今まで勉強したことの成果を見せあいました。自分が学んだことを活かしてスピーチを作り、一生懸命に覚えて話しているのを見ると、課外活動なのにみんなよく頑張って勉強したなあと感心します。グループ発表では、教材のスキットをなぞるだけでなく、自分たちなりに台本を作って演じたグループもありました。まだ初級前半で語彙も少ないのですが、生徒たちの創意工夫には驚かされます。

7月は「冬休み」で、後期のコースは8月上旬から再開します。

このグループは、寮母さん(右)と留学生(左)の「ただいま」「おかえりなさい」というスキットを演じました。「あなたも留学生ですか?」「はい、私は留学生です」と会話が続きます。

5月 活動日誌

2017年5月
GJOコーディネーター 木林 理恵

5月の祝日は1日のメーデーだけで、短いストライキもなかったので、十分に活動を行うことができました。

国立技術教育センター(CEFET)高等部の日本語コースでは、生徒たちがだんだん日本語に慣れてきました。日本語での説明もわかっているようで、「うんうん」と頷きます。

今月、CEFETの授業では、州立大学の学生に面白い動画を紹介してもらいました。学生たちには毎回、授業見学レポートを提出してもらっているのですが、それにある学生が「音楽やアニメを見せたら、日本文化にもっと興味を持つと思う」と書いていたのです。そこで、お勧めのコンテンツを教えてほしいと頼んだところ、早速、実際に授業で使うための準備をしてくれました。紹介したのは「るるるの歌」という動画で、「見る」「食べる」など、動詞の辞書形をたくさん使っています。初級の人たちには難しい単語が多かったのですが、学生たちが単語帳を用意したので、生徒たちはちゃんと意味が分かり、楽しめたようです。私はこの歌を知らなかったので、とても勉強になりました。

州立大学の学生に日本の動画(歌)を紹介してもらったときの様子

州立大学の学生のように、日本語を頑張って勉強している人は高校生たちの良いモデルだと思います。そういう人たちが授業に参加し、アイディアを出してくれるのは、とても嬉しいことです。

また、CEFETの午前クラスには、ポルトガル語を勉強している日本人の方がボランティアで参加し、日本語の説明がわかったかを確認したり、生徒からの質問を通訳したりしてくださっています。州立大学の授業も、リオ在住の日本人の方が興味を持って、参加してくださるようになりました。

いろいろな方に協力していただける恵まれた環境にいるので、みんなでアイディアを出し合いながら、充実した活動が行えるように工夫したいと思います。

4月 活動日誌

2017年4月
GJOコーディネーター 木林 理恵

州立大学は、10日(月)から新学期が始まりました。1月以降、今まで何回も延期されていたので、直前まで半信半疑でいましたが、文学部は無事に授業を開始しました。正式に授業が始まったので、語学の課外活動も予定を組み直すことになりました。

州立大学の授業には教職課程があり、そこの学生は、専攻科目の授業を見学したり、手伝ったりしないといけません。国立技術教育センター(CEFET)高等部の日本語コースにも、大学の授業の一環として、州立大学教職課程の学生が手伝いに来ることになりました。1クラスの人数が多いので、学生たちが授業に参加し、生徒たちがフォローをしてくれると大変助かります。また、日本語専攻の学生たちのためにも、見学が可能な日本語コースを開設することができて良かったと思います。

27日(木)には州立大学でオープンキャンパスがあり、奨学金を受けている学生が、自分が担当したプロジェクトに関するポスター発表を行いました。州立大学付属校(CAp UERJ)での日本語コースについても、担当のアナ・セシリアさんが発表して好評でした。CAp UERJは州立大学より遅い時期に新学期が始まったそうなので、まだ慌ただしく、日本語コースを再開する余裕がないそうです。早く、前学期のように授業を始めることができればいいなと思います。

CEFETの授業ではマルチメディア教室を使っているので、インターネット上の教材である「NHK WORLDやさしい日本語」をみんなで見たり、自分が必要な箇所を個別に見たりしながら勉強することができます。

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