2018年度 活動日誌

3月 活動日誌

2019年3月31日
GJOコーディネーター 大山 祐李

3月のオランダは日照時間も長くなり、春の訪れを告げるチューリップが道のあちこちで咲き始めています。授業中に窓の外からピロロロ…と朗らかな鳥のさえずりが聞こえてきたとき、学生の一人が「あ!春の声!」と言いました。その素敵な表現に、心が温かくなりました。

今月は23日にハーグで在オランダ日本大使館主催の日本語弁論大会が開かれ、ライデン大学からは8名の学生が出場しました。GJOでは弁論大会に向けてスピーチクラブを企画し、5名の日本人留学生の方々と一緒に、大会に出る学生のみなさんの練習をサポートしました。

スピーチのテーマ設定は自由で、皆それぞれ自分が話したいことについて、思い思いの発表をしました。「日本の食文化」や「宮崎駿の映画」、「宝塚歌劇団」といったものから、「日本のゴミ問題」や「日本の男女差別」といったテーマまで幅広いトピックのスピーチがあり、大変興味深かったです。

当日は皆練習の成果を十分に発揮し、ライデン大学からは4名の学生さんがそれぞれ「特別賞」、「優秀賞」、そして「よさこい高知賞」を受賞しました。大会が終わったあとは皆満足した様子で、中には「また来年も出ます!」と今から張り切っている学生さんもいました。

また、弁論大会には、ライデン大学ハーグキャンパスで日本語を勉強している学生も応援に来てくれました。大会に出ていたたくさんの「日本語の先輩」のスピーチを聞いて、「あんな風に上手になりたい」と思ったそうで、良い刺激を受けたようです。

大勢のオーディエンスの前に立って、外国語である日本語でスピーチをするということは、とても勇気あることだと思います。賞に関係なく、出場された方々皆さん、本当に素晴らしかったです。

▲ 大会後の記念撮影の様子

2月 活動日誌

2019年2月28日
GJOコーディネーター 大山 祐李

2月のライデンは例年よりも暖かく、気温が18度まで昇る日もありました。 冬のオランダはたいてい寒くてうす暗い日が続くのですが、今月は眩しいくらいに晴れてポカポカした陽気の日が何日もあり、半袖のTシャツを着て外を歩いている人の姿も見られました。

今月、ライデン大学ではいよいよ新学期が始まりました。学期の一番初めの授業は毎回とても緊張します。今回も、「どんな学生がいるかな」とドキドキしながら初回の授業へ向かいました。

今年の1年生もとても熱心で、第一回目の授業からとても賑やかに進行しました。新学期の前にひらがなとカタカナを全部覚えてきた学生がたくさんいたほか、日本のアニメやドラマを見て自分で日本語を勉強している学生も多く、授業中は教科書に載っていないような日本語についての質問が飛び出すこともありました。休み時間も、学生同士で日本語で話しているのが聞こえたり、私に日本語で話しかけに来てくれる学生がいたりと、日本語学習に対する熱意を感じます。

今月から会話クラブも再開しました。今月のクラブには、1年生の学生と2年生の学生が参加してくれました。お互いに自己紹介をしたあと、「どうして日本語を勉強しているんですか?」という質問がありました。「日本のアニメを子供のときに見て、日本に興味を持ちました」「ラーメンや寿司が好きで、いつか日本に行って食べてみたいので日本語を勉強しています」といった答えが多く聞かれましたが、中には「私は将来会社をつくるつもりです。日本でビジネスがしたいんです。」と答えた学生もいました。

やる気に満ち溢れる学生の様子を見ていると、私も気合が入ります。今学期もしっかり頑張りたいと思います。

1月 活動日誌

2019年1月31日
GJOコーディネーター 大山 祐李

あけましておめでとうございます。ライデンでは一月一日の0時を回った瞬間に街中でたくさんの花火が上がり、賑やかな年越しとなりました。オランダの正月の風物詩といえば打ち上げ花火です。オランダでは年末、お正月のためにそれぞれの家庭や個人でたくさんの打ち上げ花火を購入し、年が明けると同時に街じゅうで一斉に花火を打ち上げます。

個人が住宅街で上げる打ち上げ花火、と聞いたら小さなものを想像される方もいるかもしれませんが、オランダの年越し花火は、日本の夏の花火大会で見られるようなあの大きな打ち上げ花火です。夜中に年が明けてから2時間ほど、街のあちこちからたくさんの花火が次々と打ち上げられ続ける様は、とても東京では見られないおもしろい光景でした。

今月は、来月から始まる春学期に向けて、同じコースを担当する先生方と準備を行いました。春学期からは、ゼロ初級のクラスがスタートします。ゼロ初級というのは、初めて日本語を勉強する学生がひらがなやカタカナから学び始める段階です。ゼロ初級の学生がスムーズに日本語学習に入っていくためには、どのような順番で何を教えていけばよいか、どんな教材を準備しなければならないか、先生方と話し合いを重ね、アイディアを出し合いました。

ひらがな一つとっても、「あいうえお…」と五十音順に教えるべきか、それとも「し」や「つ」などの簡単な字形のものから教えていくべきか、様々な考え方があります。試行錯誤しながら、学生たちにとってより分かりやすい日本語の授業ができるよう、今学期も頑張っていきたいと思います。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

12月 活動日誌

2018年12月31日
GJOコーディネーター 大山 祐李

12月、ライデンではクリスマスマーケットが開かれました。特設ステージには合唱やバンドなどの出し物もあり、冬の寒くて薄暗い天気を吹き飛ばすくらい賑やかです。GJOのオフィス看板もクリスマスらしく飾りました。窓の外は曇り空ですが、オフィス内が明るくなったように感じます。

▲ GJOの看板
▲ ライデンの街をバイクで走るサンタクロース

今月は期末試験があり、学生たちは学期末の追い込みで大変そうな様子でした。授業の合間に熱心に質問に来る学生も多く、毎度ながら日本語への熱意を感じます。

今月のハーグキャンパス会話クラブでは、冬休みの予定やクリスマスに何をするかなどについて話しました。ヨーロッパのクリスマスは家族で集まりお祝いするのが一般的なので、ほとんどの学生は実家に帰省すると言っていました。会話クラブにスーツケースを持ってきて、このあと実家に戻ります、と言っている学生もいました。わざわざ会話クラブに参加するために帰省の日を最後のクラブの日に合わせてくれたそうで、そんなに会話クラブを楽しみにしてくれているなんて、と嬉しく思いました。

また、クラブには先年度日本語のコースを修了した学生も来てくれました。今授業を取っている学生たちは先輩の話す日本語を聞いて、「来年自分たちもこんな風に話せるようになれるといいな」と、目標ができたようです。学生たちの話を聞くと、ハーグキャンパスでは日本語の授業を取っている学生同士の縦のつながりはあまり強くないそうです。今まではレベルごとに時間を分けていましたが、これからは学年の違う学生同士の交流の場として、同じ時間にクラブを開いてもいいかもしれません。

2018年もたくさんの人に支えていただき、無事に一年を終えることができました。来年もどうぞよろしくお願いいたします。

11月 活動日誌

2018年11月30日
GJOコーディネーター 大山 祐李

11月のライデンは、寒さも厳しくなり、薄暗い天気の日が続いています。しかしそれと反比例するように、キラキラ光るクリスマスツリーやサンタクロースの飾りなどがあちこちに現れ始め、街が賑やかになってきました。

今月は、学生の何人かから「日本への留学が決まりました!」と嬉しい報せがありました。出発は来年の夏から秋にかけてだそうですが、「日本の美術館にたくさん行きたいです」「色々な食べ物を食べてみたいです」と、今からとても楽しみにしているようです。私も、彼らが日本に行ったときに楽しく生活できるよう、しっかり日本語を教えようと改めて気合が入りました。

今月の会話クラブでは、「カタカナ語」について話しました。ある学生が、「カタカナの言葉は難しいです。全然分かりません。」と言っていました。日本人留学生からは、「でもカタカナ語の元は英語だから、簡単じゃないですか?」という声がありましたが、学生たちはみんな、「カタカナは英語と発音が全然違うから・・・」と苦労している様子でした。

会話クラブでも、私を含めて日本語母語話者はときどき、分かりやすいだろうと思って「昨日は鶏肉…チキンを食べました。」などとカタカナ語を使ってしまうことがあります。ところが、日本人にとってカタカナ語は英語ですが、学生たちにとってそれは日本語にしか聞こえないのです。

日本では今、多くの和語がカタカナ語で言い換えられています。デパートに行ったら案内板には「レディースのフロア」「メンズのフロア」「キッズのフロア」と表示されていたり、レストランに行けば、メニューには「ビーフ」「ライス」「ランチ」などたくさんのカタカナ語が並んでいたりします。学生たちは「牛肉」という単語や漢字は知っていても、「ビーフ」と書かれていたら何のことだか分からないかもしれません。

よく使われているカタカナ語でも教科書には出てこないものも多いため、このような部分で授業の日本語と授業外の日本語にギャップがあるなあと感じます。学生たちが日本に行って最初に苦労したのは、満員電車でも携帯電話の契約でもなく、街にあふれるカタカナ語でした…ということにならないよう、できるだけ会話クラブなどでも取り上げていきたいと思います。

10月 活動日誌

2018年10月31日
GJOコーディネーター 大山 祐李

ライデンは10月になり、一気に冷え込んできました。朝は特に寒く、4,5度しかないなか毎日大学に向かっています。街の人の装いも冬らしくなり、ダウンジャケットやブーツを身に着けている人がほとんどになりました。しかし一方で、まだ半袖のTシャツやタンクトップで歩いている人もときどきおり、街に夏と冬が同時にあるような、なんだか不思議な光景が見られます。

今月から、今学期の日本語会話クラブが始まりました。日本からの交換留学生の皆さんにもご協力いただき、毎回6~8名ほどで和気あいあいと楽しく日本語で話をしています。参加してくれた学生は初級の教科書が半分終わったばかりの学生で、まず自己紹介から始め、自分の国や街を紹介したり、趣味について話したりしました。

また、10月19日にはJapanese Snacks Day として、会話クラブの際、学生たちに餅菓子やせんべい菓子などの日本のお菓子を食べてみてもらいました。こちらではベジタリアンやビーガンの学生が多いのですが、和菓子の多くは動物性の原材料を含まないため、美味しく食べてもらうことができました。特にあんこや抹茶の餡が入った餅のお菓子は評判がよく、初めて食べた学生からは「授業で先生が言っていたあんこってこういう味なんだ」「Mochiってこういうものだったのか」という声が聞かれました。一方で、梅のせんべいは評価が分かれました。「梅の味がちょっと苦手です」と言っていた学生もいました。

こちらの学生の中には、アニメを見たり授業中に聞いたりして、umeやmochiという言葉は聞いたことがある人は多いですが、実際に食べたことがある学生はあまり多くありません。今回この機会に、日本のお菓子を体験してもらうことができてよかったです。

10月が終わったところで今月の会話クラブの感想を学生に聞いてみると、会話クラブで聞く日本語はクラスの日本語とは全く異なり、分からないことがたくさんあったと言っていました。

これは、日本人留学生の皆さんが難しい言葉を使っているというわけではなく、単純に日本語がそういう言語なのです。日本語は語彙のカバー率が英語やフランス語などに比べて低く、学習者が日常会話が分かるようになるまでに時間がかかると言われています。例えばある言語でよく使われる単語を頻度順に上から1000個覚えたとき、英語で1000語覚えれば日常会話で使われる言葉の8割がカバーできる一方で、日本語で1000語覚えても6割ほどしかカバーできません。日本語で日常会話で使われる言葉の8割が理解できるようになるためには、一般に5000語程度必要であると言われており、これは日本語能力試験の中級レベルにあたります。

教師が授業中に日本語を話すときは学生が分かる語彙と文法を選びながら話すため、学生はそんなに難しさを感じることがないかもしれません。しかし一歩教室の外に出て日本人と話してみると途端に分からない言葉だらけになり、戸惑う学生もいます。中には「なかなかできるようにならない」ともどかしさを感じる学生もいるでしょう。ちょうど初級の教科書が半分終わったばかりの学生にとっては今が踏ん張り時だと思います。

日本語会話クラブでは、学生たちは知っている単語を一生懸命使いながら会話をしていました。また、会話クラブのあとに学生と日本人留学生とで連絡先を交換している様子も見られました。友達ができると、日本語学習に対するモチベーションも上がるのではないかと思います。

来月も会話クラブを実施します。学生の皆さんが楽しく日本語に触れ、練習できる場となるよう、私も頑張りたいと思います。

9月 活動日誌

2018年9月30日
GJOコーディネーター 大山 祐李

9月のライデンは涼しく、心地の良い秋風が吹いています。

ライデン大学では9月に夏休みが明け、新たなアカデミックイヤーが始まりました。日本からの留学生も迎え、にぎやかな新学期の幕開けとなりました。

9月11日には大学内で日本人留学生の顔合わせ会を行いました。当日は12名の日本人留学生の皆さんが集まってくださり、お互いに自己紹介をしたり、質問しあったりと終始和やかなムードで進みました。

これから始まる留学生活を通して、お互いに助け合い励まし合いながら、いろいろな経験をすると思います。もしかしたら、ライデンに来ていなかったら出会わなかったかもしれない生涯の友達ができるかもしれません。日本の各地から集まった日本人同士で「カルチャー・ショック」を体験することもあるでしょう。

これからの一年間が留学生の皆さんにとって実り多いものになるよう、GJOとしてもサポートしていきたいと思います。

そして、9月26日から30日にかけては、ロッテルダムで「CAMERA JAPAN Festival 2018」という日本の映画を上映するイベントが行われ、私も足を運んできました。会場はたくさんの人でにぎわっており、映画のほかにも屋台やお茶のワークショップなど、様々な日本文化を楽しむ人々の姿が見られました。

映画の上映の前には、その映画に関する日本文化の知識や見所などを説明するレクチャーが行われました。イベント全体を通して、オランダの人々の海外文化に対する関心の高さがうかがえました。

これからの季節、オランダは一気に冬に向かっていきます。寒さに負けないよう、来月も頑張りたいと思います。

(映画上映前のレクチャー)
(ロビーに並ぶ鯛焼きや日本酒の屋台)

6月 活動日誌

2018年6月30日
GJOコーディネーター 大山 祐李

6月のライデンは暖かくなり、日も長くなりました。こちらの冬は夕方になるとすぐに日が落ちて暗くなってしまいますが、夏は夜10時ごろまで明るいです。晴れの日は冬の分の昼間を取り返そうとするように、多くの人が外に出て日向ぼっこをしている様子が街のあちこちで見られます。ときどき家の外にダイニングテーブルを出して日向で食事をしている人までいて、オランダに住む人々にとって太陽の光はとても貴重なものなのだなと感じます。

今月は日本語会話クラブを4回開きました。この秋から日本に留学に行く学生が会話の練習のために足を運んでくれたり、夏休みの間に日本語を忘れないようにと復習のために来てくれた学生もいました。

今月の会話クラブではオランダの安楽死や死刑制度などが話題に上り、少し高度なトピックを扱いました。これにあわせて、これから日本へ留学に行く学生たちにも役に立つだろうと、自分の意見を言う際に使われる日本語のフレーズや表現を多く紹介しました。

「〇〇さんの意見も一理ありますが……」

「……するべきでないかと思います。」

初めは学生たちが英語をまじえて意見を言うのを私が日本語に直してあげていましたが、後半にはみんな少しずつ表現を組み合わせて自分なりの考えを発表していました。

また、トピックが難しすぎたのではないかと心配しましたが、「人権」「犯罪」などの話題には多くの学生が関心を持っているようで、それに関連した語彙を覚えたり、意見を交換したりするのを楽しんでいる様子でした。

今月で春学期の期末試験の追試験等も全て終了し、2017-2018年のアカデミックイヤーが終わりました。2017年の9月からライデン大学の日本語科と国際学科で日本語を教え始め、10ヶ月が経ちました。日本で経験していた日本語教育と異なる点も多々あり苦労したこともありましたが、温かい学生たちや周りの先生方からの手厚いサポートのおかげで、無事に一年を終えることができました。

7月からは夏休みを迎え、次の学期は9月からとなります。夏の間に先学期の反省と次学期の準備をしっかり行ってまいります。

5月 活動日誌

2018年5月31日
GJOコーディネーター 大山 祐李

今月は1学期間の日本語の授業が終わり、期末試験をむかえました。国際学科の日本語クラスの学生は期末筆記試験のほか、期末課題として作文とビデオを提出します。ビデオ課題では、今学期中に学習した文型に沿ってテーマを与え、ビデオを制作してもらいました。提出されたビデオは最後の授業で鑑賞し、クラスのみんなで感想を交換し合いました。

1年生のあるグループは、デン・ハーグの街を歩きながら、いつもよく行く店やストリートを紹介するビデオを作っていました。

「この店でよくコーヒーを買います。この店のコーヒーはおいしいです。」

「ここに友だちとよく来ます。たくさん話します。」

「先週はビーチに行きました。寒かったです。」

1学期間に習った文型を組み合わせて、身の回りの出来事などについて表現できるようになりました。

上記のように1年生は具体的な事柄を説明する文型が多いですが、2年生はより抽象的な事象について述べることができるようになりました。ある2年生のグループは、「オランダ人についてどう思う?」というテーマで話し合っている様子をビデオに撮っていました。

また別のグループは、レストランを舞台に、日本人とオランダ人が互いの「おかしな」身振りや習慣について指摘しあうという面白い作品をつくっていました。例えば日本人役の学生がウェイターに向かって「すみません、注文をお願いします。」と手のひらを下に向けて手招きをすると、オランダ人役の学生が「ええ?そのジェスチャーは“あっちに行け”みたいですよ。オランダではこの身振りを使います。」と言って手のひらを上に向けて手招きをして見せます。このビデオは、ほかのクラスメートたちにも好評で、皆興味深そうに見ていました。

2年生は、日本語を始めてからのこの1年半を通して、日本語だけでなく日本の文化や習慣についても学んできました。国際学科の日本語クラスはこの2年生の春学期で修了するため、集大成として今まで勉強したことをめいっぱい発揮したビデオ作品ができてよかったなと思います。

この2年生のように、今の1年生も来年の今頃は、もっと色々なことが日本語でできるようになっていることでしょう。来学期もまたしっかり授業ができるよう、私も夏休みの間にコツコツと準備をしておきたいと思います。

4月 活動日誌

2018年4月30日
GJOコーディネーター 大山 祐李

いよいよ期末試験まで残るところあと少し、あっという間に4月になりました。今月はじめは暖かくなり、たくさんのチューリップが道端で見られましたが、下旬は昼間でも12℃前後の肌寒い日が続いています。

今月は初級日本語を受講している学生に向けて、日本語会話の会を開きました。期末試験では口頭試験も実施するため、その前に会話の練習をする機会がつくれたらと思い企画しました。

実は会を企画した当初は、少し心配していました。習った文型がまだ少ないし、みんな緊張して何も話してくれなかったらどうしよう。私が学生たちに質問を投げかけて、一問一答になっちゃうかな…… どんな様子になるか分からず、ドキドキして会場のカフェテリアに向かいました。

少し早めに着くと、カフェテリアではすでに学生たちが私を待ってくれていました。学生たちと私で一つのテーブルを囲み、最初に一人づつ自己紹介をして、あとは学生たちに自由に会話をしてもらいました。

「〇〇さんはよく週末に何をしますか。」

「よく買い物をします。ときどき、友達と日本の映画を見ます。」

「そうですか。どんな映画が好きですか。」……

勉強した文型や単語を使って、みんな積極的に質問しあったり会話を広げたりしていました。ときどき言いたいことを日本語でどう言えばいいか分からないときだけ私に聞いてきましたが、あとは私がいなくてもいいくらい、学生同士で楽しく話していました。

2月にひらがなカタカナから日本語の勉強を始めた学生たちが、もうこんなに日本語でコミュニケーションができるようになっていて、本当にびっくりしました。一生懸命な様子はテストや宿題を見ていても分かっていましたが、本当に熱心に日本語に興味を持って取り組んでいるんだなあ、と改めて感じました。期末試験まであと数週間ですが、学生たちのやる気に応えられるよう、私も引き続き頑張って教えたいと思います。

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