2018年度 活動日誌

3月 活動日誌

2019年3月31日
GJOコーディネーター 甘利 実乃

3月に入り、日を追うごとにどんどん暖かくなり、ついには桜の花が満開になりました。東京よりも半月ほど早い満開の桜に望郷の念は禁じえませんでしたが、ここセルビアでも同じように桜の花を愛でる文化があることを知ったのは、大変嬉しいことでした。

◆たくさんの日本人ゲストを迎えての部活動

2月末から3月はちょうど日本は春休みということもあり、セルビアを訪問してくれる日本人はいつもの月よりも多くなります。それに伴い、部活動への日本人ゲストの参加者も増え、セルビアで日本語を学ぶ学生たちにとってはとても良い経験になりました。

部活動は、ペラペラカフェという会話の活動だけではなく、読書の活動も活発になってきましたし、本格的に書道の活動も行うことができました。やはり学生が主体となって行える部活動の存在はとても重要で、生き生きと楽しそうに活動している姿を見ていると、こちらも幸せな気持ちになってきます。

◆Japan Bowl Balkan 2019

Japan Bowlというのは、日本に関するクイズ大会のようなものですが、バルカン半島でも開催しようということで、3年前からベオグラード大学で行われてきました。3回目となる今年、昨年赴任したわたしとしては初めての参加(見学)でした。厳しかった予選から始まり、決勝戦では激しいクイズバトルが繰り広げられました。また、国際交流基金ブダペスト日本文化交流センターの林敏夫先生による茶道の紹介や、高校生による合唱、大学生による踊りなどもあり、大会は大きく盛り上がりを見せ、活況のうちに幕を閉じました。Japan Bowlを支援してくださる企業からは素敵な商品などが提供されました。また、日本人の見学者の数も増えたことも大きな成果だったと思います。今後とも大会が大きく育っていくことを期待しています。

◆セルビアにおける日本語拡大プロジェクト

セルビアでは4年ほど前から、三菱商事、日本大使館、そしてベオグラード大学の協力による、日本語拡大プロジェクトが進められてきました。これは、ベオグラード大学で日本語を専攻した卒業生や大学院生に有給で日本語を教える機会を提供するとともに、セルビアで日本語を学びたい中高生などには無償でその機会を提供するという、たいへん貴重なプロジェクトとして機能してきました。実際、ベオグラード大学に入学してきて日本語を学ぶ学生の中には、このプロジェクトの日本語授業がきっかけだったという者も少なくありませんし、4年たった今、日本への留学を決める学生も出てきています。

そんな日本語拡大プロジェクトなのですが、今年度のプロジェクトリーダーを務めてくれているルカ・ミロシェビッチ先生(ベオグラード大学文学部日本語・日本文学専攻博士後期課程在学中)の授業に、JICAのシニアボランティアの日本語教師としてベオグラードの言語専門高校へ赴任されている平田紀子先生と一緒に参加させてもらいました。今回訪れたのは、ゼムン高校での日本語クラスの授業でした。訪れた日はちょうど年度末の最後の授業に当たる日だったため、それまでの復習をしたり、日本の歌の歌詞を説明したり歌ったりと、とても自由で楽しい授業でした。午前、午後と2回の授業に参加しましたが、学生たちはみな日本語を学ぶことに対してとても積極的で、この日本語拡大プロジェクトを通じてますます日本語熱が高まったそうです。そして、2人の生徒がベオグラード大学に入って日本語を専攻したいと話してくれました。まさに感無量です。

そんな日本語拡大プロジェクトなのですが、今のところ、来年度の開催の目処が立っていない状態に陥ってしまっています。日本語を教えるセルビア人講師の確保と学校とのネットワークの構築に関しては引き続き大丈夫なのですが、やはりこのようなプロジェクトを推進するに当たっては、財政的、人的に多大な支援が必要となってきます。2017年度においては約200名もの修了生を輩出した、セルビアにおける日本語拡大プロジェクトが、今後とも何らかの形で続いていくことを強く望むとともに、そのためのサポートを続けていきたいと思います。学生たちのきらきらしたまなざしにこそ未来があるとわたしは信じます。

ゼムン高校における日本語クラスの様子

2月 活動日誌

2019年2月28日
GJOコーディネーター 甘利 実乃

2月に入り、セルビアは次第に暖かい日が多くなってきました。もうほとんど雪は降らないようです。今年の冬は雪が多かったと言われましたが、もっとすごい雪国のイメージを抱いて昨年10月に着任しましたので、わたしとしてはこれならば大丈夫、とほっと胸をなで下ろしているところです。

◆新学期の開始

2月上旬に2回目の学期末試験があり、その後、さっそく2月18日から後半の学期が始まりました。2月から5月まで後半の学期の授業は続き、その後、6月から9月の間に4回の学期末試験が行われるわけですが、日本の大学とは学期の流れ方が大きく違うため、だんだん学期に関する感覚がずれてきました。

ベオグラード市内の高校ではインフルエンザによる学校閉鎖もあった2月ですが、幸い、大学内ではそれほど流行っている様子はなく、学生達は元気よく授業に参加してくれています。

◆部活動にエンジンがかかってきた

前の学期は新年度が始まったばかりということもあってか、それほど部活動は盛んではありませんでした。それでも、ペラペラカフェやちょっとした書道は開かれてきたのですが、後半の学期が始まってからは、学生達から部活動をどんどんやっていこうという声が高まってきています。これには、日本からの交換留学生、特に東京外国語大学からの交換留学生の働きかけが大きく貢献していると思います。また、日本から訪問中の高橋亘先生の多読セミナーによる活性化も大きく貢献してくれています。

◆高橋亘先生の多読セミナーが好評を博す

高橋亘先生は、東京外国語大学から以前、ベオグラード大学へいらっしゃって日本語講師をしてくださっていた方で、今は神田外語大学で教えておられます。毎年、ベオグラード大学へ研究のためと多読の部活の維持・普及のためにベオグラードへいらっしゃっており、今年は2月25日に多読セミナーとともに読書の部活動が開催されました。

部活動は前の学期は会話中心のペラペラカフェが人気だったのですが、本格的に多読の仕方の指導を高橋亘先生からいただいたあとは、読書の部活動の熱のほうが上がってきているようです。今年度は学生達が読書の部活動に腰を上げるまではちょっと時間がかかったものの、一度その面白さを実感してしまえば、はまってしまうのが多読の面白さです。1年生や2年生も積極的に参加してくれており、今後の活発な部活動が期待されます。

◆貴重な部活動の場

日本の大学生にとっては、部活動やサークル活動は日常的なものかもしれませんが、セルビアの大学では部活動のようなものは基本的にありません。ですから、ベオグラード大学における部活動は特別な存在です。特に、日本語を学ぶ学生にとって、日本語話者と一緒になんでも話せる機会となっているペラペラカフェは貴重なものです。毎回、できるだけ多くのゲストを招いており、それも刺激になっているようです。この活動日誌をご覧になってくださっている方にも、ぜひ、ベオグラード大学の部活動にゲストとしてご参加いただければ大変ありがたく存じます。

高橋亘先生の多読セミナーと部活動の様子

1月 活動日誌

2019年1月31日
GJOコーディネーター 甘利 実乃

実はセルビアにはクリスマスとお正月が2回ずつあります。日本と同じように12月25日も1月1日もお祝いしますが、旧暦にしたがって1月7日にクリスマス、1月14日にはお正月をお祝いします。実に3週間以上もお祝いが続きますので、街はとても華やかで、寒い中でもとても楽しいそぞろ歩きができる季節なのです。

◆学期末試験

学生にとっての今月の最大の関心事は何と言っても学期末試験です。

ここでちょっとベオグラード大学の学期末試験に関する文化(?)をご紹介したいと思います。

まず、学生は、自分が受験したい科目の受験登録をしなければならないのですが、その時になんと受験料を払うのです。そんなに高いものではありませんが、学期末試験を受けるためにお金を払うとなると、気合いが入ると思いませんか。

次に、学期末試験はワンチャンスではありません。実は何度か受験するチャンスがあるのです。直近では1月と2月にそれぞれ1回ずつ学期末試験が行われます。どちらか1回のみ受験しても構わないですし、2回とも受けることもできます。成績は良かったほうが採用されます。また、前の学期の学期末試験も受けることができます。

何度も試験を受けられていいなぁと思いますでしょうか。いえいえ、何度も受けられると言うことは、何度も何度も競争をするということでもあるのです。試験の成績によって留学ができたり、寮の部屋替えに影響があったりと、いろいろと実生活に直結しているのですから、学生は真剣そのものです。

学生も大変ですが、試験を用意し、採点をする教師も実は大変です。でも、わたしはそんな真剣勝負が大好きなのです。

◆新年祝賀会

大学自体の行事ではありませんが、1月には日本国大使公邸で新年祝賀会が開催されました。セルビアにいる邦人の数はほんのわずか。200名もいないそうです。そんな中、80人ほどの邦人が新年祝賀会に参加し、おいしい和食に舌鼓を打ちながら親交を深めました。わたしはセルビアに来てまだ3か月ちょっとですから、ほとんどの方とは初顔合わせです。JICAのシニアボランティアで日本語教師として来られている方など様々な方々とお会いできてとても楽しく刺激的なひとときでした。

◆学期の区切りはお別れのとき

10月から始まったベオグラード大学の新年度と新学期もおおむね1月末をもって終わりです。学期末試験はまだちょっと続くのですが、2月後半からは新学期が始まります。

それを機会に、帰国したりセルビアに新たにやってくる留学生がいます。1月末には一人日本に帰国することになっていましたので、そのお別れ会を兼ねての部活動が開催されました。

わたしが見ていて感心したのは、今回、率先して東京外国語大学からの留学生が音頭を取ってセルビアの学生に発破をかけ、大盛況となった会の開催に持って行ってくれたことでした。大学関係者以外の日本人の方々にも参加してもらえ、とても楽しい送別会となりました。

2月になれば、また新たに外大から留学生がやってきます。楽しいセルビア留学生活を送ってもらえるよう、GJOのコーディネーターとして最大限のサポートをしていきたいと思います。

学期末試験の様子

12月 活動日誌

2018年12月31日
GJOコーディネーター 甘利 実乃

12月のベオグラードは、年末年始とクリスマスを迎えるに当たって、1年で最も華やかな装いとなっています。セルビアでのクリスマスは旧暦の1月7日がメインとなりますので、年末年始にかけてクリスマスがずっと続いているような印象です。12月中旬に大雪が降りましたが、年末には一旦雪が消え、比較的暖かな日和で新年を迎えようとしています。

◆コロキウム(中間試験)
学生にとっての今月の最大の関心事は次から次へとやってくるコロキウムをいかに乗り切るかということになります。12月を迎え、多くの科目でコロキウムが行われるため、学生たちは毎週、毎週、コロキウム対策に課題や発表にと大変忙しく学業生活を続けています。

日本語に関するコロキウムは12月15日に1年生から4年生まで一斉に行われました。受験人数が大変多くなってきているため、試験会場の座り方などにもさらなる工夫が必要となってきました。今後とも円滑に試験が行えるよう、教師陣は頭を絞っています。

◆部活動

そのような中、残念ながら部活動はなかなか開くのが難しい状況で、学生たちが自主的にアンケートをとり、日程の調整を行っています。部活動はやりたいものの、学生たちのスケジュールをすりあわせての部活の時間がなかなか取れないということなのですが、今後は時間の捻出をさらに工夫することにより、部活動を継続して行えるよう、学生も、支援する教師も知恵を絞っているところです。

◆能楽のワークショップ

ベオグラード公演のためにセルビアを訪問中の能楽の櫻間右陣先生によるワークショップが、山崎佳代子先生のお招きで実現しました。日本でも滅多に体験できないようなワークショップに学生たちは目を輝かせていました。積極的な質問がたくさん出て、大変盛り上がったワークショップとなりました。

◆先輩から後輩への思いやり

クリスマスを迎えるに当たって、教室での活動も楽しくなるようにと願い、高学年の学生たちがGJOのある教室を華やかに飾ってくれました。学生からの発案によるボランティア精神に基づいた活動であり、学生が皆で少しずつお金を出し合って、飾り付けの工夫をしました。ある日突然、サプライズ的に飾られ、教室に入るといきなり電飾が輝いている状態になっていましたので、わたしも驚きましたし、なによりも1年生たちはとても喜んでいました。このようなことにより、学年間の連帯感がいっそう深まり、学年を超えた、全学一体となったチームビルディングも進んでいくことでしょう。

11月 活動日誌

2018年11月30日
GJOコーディネーター 甘利 実乃

11月のベオグラードは、中旬以降、急に寒くなり2回雪が降るなど、次第に本格的な冬を迎えつつあります。街ではクリスマスに向けての飾り付けが始まり、ベオグラード大学文学部近くの目抜き通りは特に美しい装いとなりつつあり、すでにたくさんの市民と観光客の目を楽しませてくれています。

◆「部活」も本格的に始動

授業だけではカバーしきれない部分を補う意味もあり、ベオグラード大学文学部では日本の部活動にならい、書道・ペラペラカフェ・多読の部活が伝統的に行われてきています。大学におけるサークル活動や文化祭といったものが日本の大学のようには存在しないベオグラード大学においては、部活という活動は一種特筆すべき課外活動として存在しています。

学期中は朝から夜までぎっしりと詰まった授業と課題や試験のため、なかなかそう簡単には皆揃っての部活動とはいかないのですが、それでも多忙な中を縫うようにして部活動が行われています。3年生がリーダーとなり、自主的に運営されているのが特徴です。そして、日本からの留学生やわたしのような講師も積極的に参加し続けることにより、日本とのかけがえのない交流の場ともなっています。

11月は書道が1回と、ペラペラカフェが2回開催されました。書道は第一次世界大戦休戦記念日、それも100周年記念と重なってしまったため、学内の教室を使っての開催はできなかったのですが、いつもの馴染みのカフェを借りて、水書道で行いました。

セルビアの学生は漢字が大好きです。「漢字は難しいけど楽しい!」と言いながら、たくさんの漢字と日々向き合っています。なによりも漢字の芸術としての魅力に惹かれている学生が多いものですから、書道という形で漢字を表現できる機会は重要です。授業中は少々シャイな学生も、書道の部活の時には次々と積極的に作品を仕上げていったりします。そういう姿を横から眺めていると、こちらまでとても幸せな気持ちになります。

また、ペラペラカフェも人気がある部活です。カフェでおいしい飲みものをいただきながら、ざっくばらんにあらゆるテーマについて話し合える部活の場は、授業では絶対に得られない特別な空間です。まだペラペラとはしゃべれなくともどんどん参加して、新しい言葉をしゃべることの喜びを実感していってほしいと思います。今年度は、さっそく1年生からの参加もあり、今後の盛り上がりが大いに期待されます。

気が付くと、部活が終わる頃には外は真っ暗。さすがに夜になるとぶるぶるっと寒いこの時期ですが、温まった心を抱きながら家路につく参加者なのでした。

10月 活動日誌

2018年10月31日
GJOコーディネーター 甘利 実乃

10月2日よりベオグラード大学のGJOコーディネーターを引き継ぎました。その前日の10月1日にはベオグラード大学では入学式が執り行われ、新入学生を迎えての新しい年度が始まりました。10月のベオグラードは概ね暖かく過ごしやすい日が続き、今年は秋を満喫できるような気候となっています。

◆新入生のうち日本語を主専攻とする学生は72名

ベオグラード大学の文学部日本語・日本文学専攻課程に在籍している日本語を主専攻とする学生は、登録者数ベースで今年度72名となっています。ベオグラード大学では東京外国語大学のように確定的な履修届が学期の初めの頃からあるわけではないので、最終的な履修者数は学期末試験の受験者数をもって確定します。

なお、従来は学年が上がるにつれ、日本語を専攻する学生の数はかなり減っていったそうですが、近年、その傾向が薄れ、最後まで日本語を専攻し続ける学生の数が増えています。そのため、4学年合わせると、名簿上実に300名を超える学生が日本語を主専攻としています。落第しても引き続き日本語を主専攻とする学生が多いため、名簿上ではむしろ学年が上がるにつれ人数が増えていくという現象が起きています。名簿上の人数だけではなく、実際の授業への出席者数も増加しています。

このような劇的な日本語学習者数の増加の中、次のような点が問題となっています。

① 定員36名の教室に72名の学生

Global Japan Officeと兼用となっている教室は、日本からの寄贈により、PCなどの機材が揃っていますが、定員が36名の教室です。そこに72名の新入生が一堂に会し、一斉授業により日本語を学んでいます。教室の後ろや壁沿いにも椅子をずらりと並べ、そこにも座ってもらって授業をせざるを得ません。しかも72名に対して1名の先生で授業を行います。本来でしたら、クラスをいくつかに分ければ良いのですが、大学自体に教室が足りませんので、それが叶わない状況です。また、ここまで学生数が増えてくると、日本語講師の数も足りないと言えるでしょう。学期中の成績につながるような正式なテストのときは、2部入れ替え制で半分の学生には廊下で待っていてもらい、テストを行っています。

② 機材の老朽化

Global Japan Officeと兼用となっている教室には36台のPCと講師用のPC 1台があります。プロジェクターも2台あります。ただし、そのうち、実際に使用されているのは、もはや講師用のPC 1台とプロジェクター1台のみとなっています。

③ 留学の機会

学生数の増加に伴って日本へ留学できる学生数も増やしたいところなのですが、留学の機会自体はあまり増えてはいません。私費留学が事実上極めて困難な国情であるため、交換留学や奨学金制度の拡充が最も渇望されています。これだけ多くの学生が日本語を主専攻として選び、高いモチベーションを持っていても、機会がなければどうしてもモチベーションは維持しづらくなってしまいます。ぜひ、この現況をこの文章をお読みいただく方々に知っていただき、今後の改善のために引き続きご支援をいただきたく存じます。

2部入れ替え制でひらがなテストを受ける新入生たち (パノラマ撮影のため画像にはゆがみがあります)

9月 活動日誌

2018年9月30日
GJOコーディネーター 正木 みゆ

9月は寒暖差のはげしいひと月になりました。下旬までは夏のまぶしさで30度近くありましたが、3日ほど秋っぽい日差しになったと思ったら急に気温が下がり、最低気温が5度になる日も出てきたり、まだ9月なのに冬が近いような気温でした。

【年度内最後の試験】

一週間おきに2回、定期試験がありました。この2回で年度内の試験は終了です。まあここで落ちても来年度また同じ科目の試験を受けられますが、さすがにこの回ばかりは頑張って勉強してくる学生が多く、合格率が高かったように思います。

【年度内最後の部活『ペラペラカフェ』】

10月からの新学期を前にして、ベオグラードに戻って来る学生がちょこちょこ増えてきたので、日本語を使っておしゃべりをする部活を行いました。部活はほかにも書道や読書などがあります。現地学生と日本人留学生の交流の場にもなっています。

【いつものカフェの前で】

私が離任する前の最後の回でもあったので、記念に集合写真も撮りました。ベオグラードは東京とは違う部分が多くて、戸惑うこともありましたが、とっても楽しいところでした。着任して2年半、楽しく暮らせたのは学生のみなさんのおかげでした!

8月 活動日誌

2018年8月31日
GJOコーディネーター 正木 みゆ

8月は暑いひと月でした。といっても、日陰や夜はだいぶ涼しくなります。日本列島も今年の夏は猛暑に見舞われていたようですが、気温は同じでも湿度が低いぶん、ベオグラードの方が過ごしやすく感じられるかもしれません。

【日本からのお客様】

とある暑い日、学習院女子大学で中東欧地域に関する研究をなさっている中島崇文教授とゼミ生のみなさんがベオグラードにいらしてくださり、日本語科の学生たちと交流を行いました。

カフェでくつろぐ学生たち

ちょうど晴れた日で、暑い!暑い!とこぼしながら市内のカレメグダン要塞を散歩した後、目抜き通りのカフェに入って楽しい時間を過ごすことができました。

日本語科の学生たちは1年生から4年生までの学生が集まり、日本の現役大学生との会話を楽しんでいたようです。このような交流は他に機会がありません。おそらく1年生にとっては、5人以上の日本人を一度に見るのは初めてだったことでしょう。普段はシャイでなかなか話したがらないセルビア人学生ですが、この日ばかりは積極的に中島ゼミのみなさんに町を案内していました。

毎年、中東欧研修の途中でベオグラードに立ち寄ってくださる中島先生とゼミ生のみなさんに感謝です!

7月 活動日誌

2018年7月31日
GJOコーディネーター 正木 みゆ

梅雨のような6月が終わって、7月です。7月も相変わらず雨が降ったりやんだりしていました。一日中降るような雨ではなく、大抵数時間で降りやむ夕立のようなものなのでまだマシですが。

【Ispit/学年末試験(2回目)】

通算5回ある学年末試験の2回目がありました。前回の試験は例年最も参加者の多い試験だったので、あとは徐々に減っていきます。とはいえ、6月と7月試験では参加人数にそれほど大きな差はありません。今回も、朝8時から午後までかかって採点を終えました。

【試験中の様子 / The exam】

メイン科目の試験は、大ホールで全学年同時に実施します。カンニング防止のために着席にも色々とルールがあり、集まった学生たちを座らせるのも一苦労です。

【ヤパニザム】

近年はアメリカのコミコン、フランスのジャポニスムなど各国で日本文化やアニメ・マンガ関連のイベントが開催されていますが、ベオグラードでも「ヤパニザム」というイベントが毎年7月に開催され、例年とても盛況です。アニメグッズの販売(フィギュアや缶バッジなど)やコスプレ大会や映画上映会、様々なテーマの講演会、また日本から声優さんを招待してのライブなど、様々なイベントが目白押しの数日間です。市内のイベント会場で行われるのですが、真夏の太陽に負けないくらい、会場内も熱気があります。

このイベントはサクラバナという有志団体によって運営されていますが、日本語科の学生にもサクラバナに参加している人もいて、遊びに行くとスタッフとして忙しそうにしている様子が見られます。

6月 活動日誌

2018年6月30日
GJOコーディネーター 正木 みゆ

6月になりました。

今年はなぜだか雨がちな週が続きます。日本は梅雨ですが、ベオグラードもつられて雨の多い月になりました。月の初めごろはもう8月か、と思うような暑い日がありましたが、雨が降ると途端に気温が下がります。タンクトップとショートパンツで出歩いても汗をかいていたのが、今週は長袖長ズボンでないと寒くて外出できませんでした。

【学年末試験(1回目)】

通算5回ある学年末試験のうち、初回の試験を実施しました。現代日本語の筆記試験は全学年同時に行うので、普段の教室とは違う大きなホールを使います。

学生はどの回に出てもよく、何回受けてもいいことになっていますが、授業終了直後の6月試験が最も参加者が多くなります。採点もその分、大変に……。朝の8時に始まり、一日がかりです。

言語系の主な試験は漢字、文法、現代日本語(総合科目の試験)、翻訳、文学です。文法は主にセルビア語で文法用語を答えるタイプの試験です。現代日本語は総合授業の筆記試験なので語彙から読解問題まで様々な系統の問題が入っていて、狙って勉強しにくい科目かもしれません。漢字の試験はこの一年分の総復習なので、勉強の仕方は単純ですが、物理的な量があり時間のかかる科目です。翻訳はその名の通り、日セル・セル日の翻訳試験で、文学のみ口頭試験を実施しています。

すでに書いたようにどの試験をいつ、何回受けてもいいので、ほとんどの学生は数回に分けて必修試験を受験します。ただ、ちょっと頑張って6月で全て終わらせれば、あとは10月の新学期まで何もありません。長い夏休みです。学生には親切な制度ですが、教員としては試験を作るのに骨が折れます…。

5月 活動日誌

2018年5月31日
GJOコーディネーター 正木 みゆ

5月です!街中の緑がきらきらしています。

まだ、日中に「自然がきれいだなあ」と思う余裕があります。夏休みに入ると、暑くってそれどころではありません。

日本とはちがい、セルビアの人々は出来るだけ肌を焼こうとします。「肌、白いね~」はまったく褒め言葉ではありません。(「顔小さいね~」も特に褒め言葉にならないそうです。みんな小さいから…)

【労働者の日】

5月は、休みから始まります。日本でも「勤労感謝の日」がありますが、セルビアでは5月1日がその日にあたります。この日は多くの人が公園や森に行ってバーベキューを楽しみます。自然を楽しむ日なのだそうです。

【学年末発表会】

今月は今年度の最終月なので、22日に学年末恒例の「発表会」がありました。セルビア語を直訳すると「最終授業」になりますが、授業は31日まできっちりあります。

学年ごとに何か出し物をすることになっていて、今年の1年生は日本語で歌と詩の朗読をし、2~4年生は動画を作って披露しました。特に私が9月末に離任することがあり、出し物の終わりには学生たちから餞別をもらってしまいました。

上級生たちの動画は、(もちろん)日本語でシナリオを作ったり、ドキュメンタリー風の番組を作ったりしていました。2年生は、文学の授業で学んだ短歌や俳句のイメージビデオを撮り、3年生は「会いに行かなきゃ…」という日本語の歌(寡聞にして誰の曲かは知りませんでした)に合わせて街中を練り歩く動画で、最後に会場の外から主役の学生が入って来て私にプレゼントを渡すというサプライズ、4年生は卒業年ということで、「卒業したらどうするか」をクラスメイトに聞いてまわるインタビュー番組(そして誰も進路が決まっていないというオチ)で、たいへん盛り上がりました。いよいよ学年末です。最後の試験に向けて、学生ともども気合を入れました。

【バイオリンを伴奏に歌う1年生たち】

4月 活動日誌

2018年5月2日
GJOコーディネーター 正木 みゆ

4月のベオグラードは、すでに夏のような日照りです。

日中は25度を超える気温になり、長袖を着ている人がさっぱり見当たりません。とはいえ、朝晩は涼しく過ごしやすいです。6月、7月ともなると、朝でも夜でもエアコンが欠かせないような暑さになってしまいますから、今はまだ快適な方です。

【イースター休み】

4月上旬、イースター休みがありました。敬虔なキリスト教徒の人々はイースター前、しばらく肉を断ちます。その終わりが、イースターのある週の日曜日です。前日はスーパーから肉と卵がなくなります。ほかのキリスト教圏の国々と同じく、セルビアでも卵をタマネギの皮で染めたり、染料で色を付けたりします。そして、その卵で卵ずもうをして、最後に残った卵が一年、うちを守ってくれるそうです。私も学生から、染めた卵をもらいました。部屋に置いて、お守り代わりにすることにします。

【日本語普及プロジェクト・修了式】

大使館・三菱商事と合同で運営してきた「日本語普及プロジェクト」の修了式がありました。今年度は参加校が多かったため、生徒・父兄・学校関係者など、総勢180名を超える賑やかな式となりました。大使館からは丸山大使、三菱からはベオグラード事務所所長の塚田様からご挨拶をいただき、生徒たちによる出し物も披露されました。

閉会後も、塚田所長や丸山大使に写真をとってもらおうと生徒たちが駆け寄っていく様子が微笑ましかったです。

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