秋入学式挙行

2018.09.28

2018年9月28日(金)、2018(平成30)年度秋入学式が行われ、大学院総合国際学研究科博士前期課程14名(世界言語社会専攻 Peace and Conflict Studiesコース10名、国際日本専攻日本語教育リカレント・コース4名)、同研究科博士後期課程5名(世界言語社会専攻4名、国際日本専攻1名)の入学が許可されました。

立石学長式辞

東京外国語大学大学院総合国際学研究科博士前期課程世界言語社会専攻Peace and Conflict Studiesコース、国際日本専攻日本語教育リカレントコース及び博士後期課程世界言語社会専攻、国際日本専攻に入学された皆さんに、東京外国語大学長としてお祝いの言葉を述べさせていただきます。
東京外国語大学は、日本の国立大学のなかでも大変に古い伝統を誇っています。その起源は1857年の蕃書調所にさかのぼり、東京外国語学校という名称をもって建学されたのは1873年、いまからおよそ145年前です。
 その後、日本の近代化の歴史の中で紆余曲折を経て、1949年、新制大学「東京外国語大学」として再スタートしました。
この時、伝統ある「東京外国語」という和名を踏襲する一方で、英語名は「Foreign Languages」からより幅広い「Foreign Studies」に変えたのは重要なことでした。その時に21世紀にもつながる本学のミッションが、明確に定義されたのです。すなわち、「東京外国語大学は、世界の言語とそれを基底とする文化一般につき、理論と実際にわたり研究教授し、国際的な活動をするために必要な高い教養を与え、言語を通して世界の諸地域に関する理解を深めることを目的とする。」ということです。
 爾来60有余年を経たいま、東京外国語大学には日本人学生約3,900名と世界各地からやってくる留学生約700名を擁するグローバルキャンパスを実現しており、大学入学予備教育の留学生日本語教育センターをはじめとして、言語文化学部と国際社会学部からなる二学部、修士・博士課程からなる大学院総合国際学研究科、そして全国共同利用・共同研究拠点であるアジア・アフリカ言語文化研究所までをもつ「世界諸地域の言語・文化・社会に関する高等教育と先端的研究の拠点」となっており、さらに卓越したグローバル大学を目指しているのです。
 平和構築・紛争予防専修コース(PCS)は、2004年4月にそうした東京外国語大学のミッションのもとに、「平和構築・紛争予防」という理念を追求し世界の諸地域で実践的かつ理論的に活躍する人材を育成することを目指してつくられた、わが国でも特色ある英語によるコースです。すでに50ヵ国を超える国からおよそ100名もの卒業生を送り出しており、その多くが大使館を含む関係省庁、国際機関、NGO、教育機関などで活躍しています。
 日本語教育リカレントコースは、2016年4月に高度な日本語教育能力を備えた人材を養成することを目的としてつくられた、新しいコースです。本学が培って来た日本語に関する高度な専門知識や、日本語教育に関する高度な技能を習得することにより、みなさまが、より実践的な日本語教育力を身に付けられることを期待しています。
 以前、国際連合事務次長として活躍された明石康さんと対談する機会があったのですが、明石さんはさまざまな国籍からなる国際機関で活躍するには、学問的には文化人類学的視点をもった国際関係研究が必要であり、人間的には相手の話にじっくりと耳を傾けることができる対話力が必要であると、仰っていました。
皆さんが、このコースで開設されているカリキュラムをしっかりと学ぶとともに、この府中キャンパスで日本人学生や世界各地からやってくる留学生と豊かな人間関係を築かれるよう願っています。
 皆さんが、この多文化・多言語グローバルキャンパスでしっかりと学ばれ、近い将来、日本と皆さんの地域との、また皆さんの地域と世界のさまざまな地域との「架け橋」となって活躍されることを期待します。
 これをもちまして、東京外国語大学長としての式辞といたします。

2018年9月28日 国立大学法人東京外国語大学長 立石博高

入学者および役員の集合写真
立石学長式辞
青山研究科長祝辞
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