大学院日英通訳・翻訳実践プログラムで同時通訳実習を実施

2022.07.12

2022年6月24日(金)、大学院総合国際学研究科 日英通訳・翻訳実践プログラムの「通訳翻訳実践研究1」科目において、今年度2回目となる同時通訳実習が実施されました。今回は、学部生とのコラボレーション授業で、遠隔同時通訳の同時通訳実習を行いました。
実習に参加した大学院生の中から、2名(田村有咲さん、阿戸ちはるさん)のレポートを紹介します。

レポート:田村有咲さん(大学院博士前期課程 日英通訳・翻訳実践プログラム2年)

今回の実習では学部生を前に、オンライン上で同時通訳を披露しました。日本人学識者のスピーチを題材とし、1本の動画をクラスメイトで交代しながら通訳するという内容です。実習に向けた準備段階ではネット上の動画や記事を活用し、スピーカーの経歴などをリサーチしました。また英語で書かれた関連記事を読むことも、固有名詞の正しい英語表現を取り入れるのに役立ちました。
本番についてですが、通常の授業外で遠隔同時通訳をするのは私にとって初めての経験であったため、通訳を交代のタイミングが取りにくい・オーディエンスの表情を確認できないなどの不安要素がありました。ですがクラスメイトと別回線で電話を繋いで通訳切り替えのタイミングを探るなど工夫し、チームで力を合わせて乗り越えました。オーディエンスの顔が見えない状態で通訳するというのはパンデミック以前の通訳形態と比べると慣れないような気もしますが、近頃はプロの通訳者の方々も仕事の多くがオンラインに切り替わっているという話も耳にしているので、この形態が将来もスタンダードになるのだろうと思います。
社会情勢に合わせて進化するオンライン上の遠隔通訳システムを体験してみるという意味でも、非常に貴重な経験となりました。

レポート:阿戸ちはるさん(大学院博士前期課程 日英通訳・翻訳実践プログラム2年)

今回の実習は、遠隔通訳機能を体験する初めての機会となりました。事前準備として、通訳者とオーディエンスの両方の立場から遠隔通訳機能の使用方法を学びながら、声が明瞭に聞こえるようマイク設定などを行いました。どれだけ良い通訳を行っても、通信環境や設定に不備があっては業務が成り立たないという点では、こうした環境の確保は遠隔業務において通訳者が担うべき重要な役割の1つであると実感しました。そのほかにも、スピーカーの経歴に関して情報収集を行ったり、重要であると思われる単語についてはクラスメイトと訳語を統一し用語集を作成したりし、本番に向け準備を進めました。
実習当日は、通訳交代のタイミングで雑音が入ってしまうなど遠隔通訳ならではの課題も残りましたが、工夫を重ねることでリモートでも協力体制を築くことができると知り、こうして実習をやり遂げることができた経験は自信にも繋がりました。
学部生からいただいたフィードバックをもとに自身のパフォーマンスを改めて見直し、今後の学習に繋げていきたいです。

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