【出版会新刊】『増補新版 ペルシア文芸思潮 』黒柳恒男 著(3/1発売)

2022.03.10

東京外国語大学出版会より、『増補新版 ペルシア文芸思潮』が2022年3月1日に刊行されました。本学名誉教授の黒柳恒男先生(1925-2014)が1977年に出された『ペルシア文芸思潮』を復刊しました。初版刊行から45年を経てなお、日本語で読める唯一のペルシア文学概説書が、新しく充実した文献案内とより網羅的な索引等を収録して復活。

【ジャンル】文学・評論
【版・頁】四六判・ 上製・464頁
【本 体】2800円+税
【ISBN】978-4-904575-93-2 C0098
【出版年月】2022年3月1日発売

本の内容

イランの精髄は文学に学べ――入門書の決定版が新たな装いで復活

初版刊行から45年を経てなお、日本語で読める唯一のペルシア文学概説書が、新しく充実した文献案内とより網羅的な索引等を収録して復活! 千年以上にわたる近世ペルシア語文学の流れを、ふんだんに詩作品の翻訳を交えながら、一般読者にも読みやすいよう平明かつ簡潔にまとめた1冊。イランの人々の精神文化の中心にある、フィルドウスィー、オマル・ハイヤーム、サアディー、ルーミー、ハーフィズらの古典詩に、日本語で一度に触れられるのは本書以外にない。各時代の文学潮流を知るにとどまらず、イラン通史、特に文化史を理解する道しるべともなる。

本の構成

増補新版にあたって(徳原靖浩・中村菜穂)
はしがき
イランとその周辺図
凡例

一 ペルシア文芸復興
1 沈黙の二世紀
2 ペルシア文学の黎明
3 ペルシア詩人の父
4 民族叙事詩の完成
5 散文の芽生え

二 トルコ族支配時代の文芸
1 スルタンへの頌詩
2 神との合一を願う詩人たち
3 ロマンス叙事詩の確立
4 四行詩人の活躍
5 孤高のイスマーイール派詩人
6 散文の興隆

三 モンゴル族支配時代の文芸
1 宮廷詩人の衰微
2 神秘主義詩の最高峰
3 実践道徳の詩人
4 歴史の編纂

四 ティームール朝時代の文芸
1 宮廷詩人の復活
2 抒情詩の最高詩人
3 ヘラートに輝く巨星
4 散文の成果

五 文学の衰退時代
1 歴史の流れ
2 衰退時代の詩人たち
3インドの鸚鵡
4 散文の諸作品

六 近代文芸の流れ
1 十九世紀の宮廷詩人
2 立憲革命時代の文学
3 二十世紀の詩人たち
4 現代散文学の群像


さらに知りたい人のための文献案内(中村菜穂・徳原靖浩)
『ペルシア文芸思潮』増補新版 あとがきにかえて(佐々木あや乃)
ペルシア文字の転写方式〔増補新版〕
索引〔増補新版〕
図版一覧


著者紹介

黒柳恒男(クロヤナギツネオ)

1925-2014年。ペルシア文学者、ペルシア語学者。東京外国語大学名誉教授。1988年には日本で初めての本格的な『ペルシア語辞典』(大学書林)を編纂、執筆。著書に『ペルシアの詩人たち』(オリエント選書、東京新聞出版局、1980年)、『ペルシア語四週間』(大学書林、1982年)、『アラビア語・ペルシア語・ウルドゥー語対照文法』(同、2002年)など。翻訳に、フィルドゥスィー『王書─ペルシア英雄叙事詩』(平凡社東洋文庫、1969年)、カイ・カーウース、ニザーミー『ペルシア逸話集─カーブースの書/四つの講話』(同、1969年)、ニザーミー『七王妃物語』(同、1971年)、オマル・ハイヤーム『ルバーイヤート』(大学書林、1983年)、サアディー『薔薇園』(同、1985年)、『果樹園』(平凡社東洋文庫、2010年)、アッタール『鳥の言葉─ペルシア神秘主義比喩物語詩』(同、2012年)などがある。

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